
この日は山梨某所へ。
以前からあのタマムシを探しに訪れていたポイントが物理的にアクセスできなくなってしまったので、時間があるうちに近くで良さげな場所を探しておきたいと立ち寄った。
ポイントとなるモミの木がある斜面に入っていけば、その幹にはうねうねとのたくった?マークの蚯蚓腫れが刻まれていて、あの虎模様のあん畜生もきっとここには多いのかもしれないと果てしなく捗るのは妄想ばかり。

さて、何はともあれ、林の中に生えているスギやヒノキの樹皮を淡々とめくっていくがさすがにそう上手くはいかないもので、やっぱりアイツは珍品なのだと思い知らされる。
こういう時は途中の副産物を楽しみにするのが常ってもの、今回は見慣れないヒラタカメムシが出てきた。撮影してみると深い彫刻とうっすらと黄緑色を帯びた体毛が何とも渋い。
調べてみるとイボヒラタカメムシ
Usingerida verrucigeraとかいうのらしい。とりたてて珍しいものでもなさそうだが、はて…見た記憶がない。やっぱり少し暖かい地域に多いような種だろうか?
続いて出てきたのはカビに覆われたクモの死骸…だと、最初は思った。
けどなんか違う…これは生きてる…ひょっとしてこれはあのカトウツケオグモ
Phrynarachne katoi ってやつでは?

かつては記録が少なく珍しいクモの一つだったようだが、目立つせいかネットではたくさん画像がヒットしてくる。珍しいと聞けば人はついつい探してしまうもの、ただ単に探していた人が少ないがために記録があまりなかったものなのだろうか。
鳥糞擬態とも呼ばれる独特の姿と模様は何とも珍妙。曰く、匂いを出してハエを呼びとらえるとかまことしやかに囁かれているらしいが、どうにも私の鼻はお馬鹿らしくその匂いとやらは判然としなかった。しかし東南アジアで見た同属の種類より明らかに大きくて立派で驚いてしまう。
今回のように目的のものは見つからなくてもこういう副産物が見つかったときは、ちょっとだけ幸せな気分で帰路につくことができるものだ。精神衛生上大変よろしいのでぜひ副産物さんには今後ともご活躍いただきたいものだと切に思う。
2023年1月 山梨県
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2023.01.21
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今年もあっという間に年末である。
なんだか年末感が足りない気もするが、そんな年もあるのだろう。
いつもの公園で、何とかの一つ覚えよろしくコケオニグモ。
かつてと異なり、もう本種も珍しいといわれることもなくなってきたように思う。
ただ、身近な場所で毎年見ることができるというのはとてもありがたいことだとも感じる。
本年は特に低空飛行でしたが、一年間ありがとうございました。
喪中につき、年始のご挨拶はご遠慮させていただきます。
それではよいお年をお迎えください。
2022年12月 長野県
2022.12.31
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知らないうちにどんどん季節が過ぎてゆく。
今年の梅雨はあっさりとあけた宣言されてたが、実際まだ続いてるような気がする。
夕暮れ、足元で群れていたゴホントゲザトウムシに気づく。
どうやら道に落ちてつぶされたオニグルミの実に集まっているようだ。
水分が欲しいのだろうか?
どこにでもいるわけではなく、いるところにはたくさんいるというタイプだと、個人的には感じる。
2022年7月 長野県
2022.07.14
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セツブンソウのあとはその近くで少しマクロ撮影のテスト。
適当な朽木を持ち上げてその下にいる生き物を探してみた。
今回の機材はいろいろあってE-M5MarkIIとZUIKO38mmマクロ+オートエクステンションチューブである。
トゲスネハリアリ。たぶん。
ハリアリの仲間はシュッとしていて実にカッコイイ。
最も身近なはずのオオハリアリは我が家周辺で見かけたことがないから、たぶんいないんだろう。
そのせいもあってか、ハリアリの仲間をみるとちょっと得した気分になるのは自分だけか。
あと光が固いのでディフューザーも作り直すことにした。
ぐふふ…
ええのう ええのう、かっこええのう
同じ朽木の下から出てきたのは…ササラダニ目あたりの何かだろうか?
動きも遅く、何ともユーモラスで可愛らしい。
動画も撮ってみたが、撮影倍率が高く手持ちではブレてしまって正直しんどい。
こっちも対策を考えねば、ね。
2020年3月 長野県
2020.03.26
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一時、毒グモ騒動で有名になったクモ。
既に騒がれなくなって久しいので姿を消したのかと思いきや、実際にはそうではなかった。
コンビニの看板の下、グレーチングの中、そして公園のベンチの下…それこそこんなところに?というところにまで極々普通に見られたのである。
騒がれなくなったのはどうやら、"いて当たり前"でイチイチあーだこーだと言ってられなくなったというのが本当のところだろう。
そもそも日本人は騒ぐだけ騒いであっという間に忘れることが得意な民族だということを改めて感じさせられた。
外来種だから当然と言えば当然だが、日本らしくない独特のその模様、ヒメグモみたいに見えて、思ったよりはるかに強靭な糸。
異質な存在感は、どこにでも潜んでいた。
2013年8月17日 奈良県 EOS7D EF100mmf2.8LMacroISUSM ストロボ(MT-24EX)
テーマ:動物の写真 - ジャンル:写真
2013.08.30
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