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皆既月食

皆既月食
皆既月食 EOS5D EF300mmf4 LISUSM+kenko1.4Xterecon
今日は6年に一度とやらの皆既月食だったらしい。自分はそのことをすっかり忘れていたのだが、自宅に帰って親からそんな話を聞いて思い出した。ちょこっと写真を撮ってみようかね~と表に出てみるとなんだか妙な違和感を感じた。月は既に真っ赤に染まり、確かに普段とは違う姿を見せているものの、原因はそこではない。
違和感の正体はエゾゼミだった。
普段は夜中に鳴き声を聞くことは滅多に無いのだが、今日に限ってかすかに鳴き声が聞こえる。どこか外灯の近くにとまった個体が鳴いているのかと思ったのだが、外は半袖では肌寒く感じるほど涼しくなっている。ちょっとおかしい。自分の経験では夜にセミが鳴く条件は明るさと気温が高いことのはずだ。やがて月食が終りに近づいた午後9時半頃、エゾゼミの鳴き声はピークを迎えた。一匹や二匹ではない。昼間ではないかと錯覚させるほどの鳴き声が漆黒の山から聞こえてきていたのだ。
むむむ…これは?この行動が各地のエゾゼミに同じく見られたかどうかは定かではないし、それを確認する術もないのだが、やはりなにかキツネにつままれたような気分である。
Lunaticと言う言葉にも代表されるように、月には何かを狂わせる力があるといわれている。ゆえに「月は人を狂わせる」なんてことが時々言われたりするのだが、なにも月が狂わせるのは人ばかりではないだろう。ひょっとしたら月食が終わって夜が明けたと勘違いしたエゾゼミが鳴きだした、なんてことも考えられるのだが、そこはあまり重要なのではなくて、皆既月食という現象と時を同じくして生物が異常な行動を示したということがとても印象的だった。そもそも、多くの生き物たちが月の満ち欠けに対応してその営みを繰り広げているのは一般的な話であるが、日常の中でその機会に恵まれることはなかなかない。そして今回はあまり月の満ち欠けとは関係なさそうなエゾゼミが異常な行動を示した…ということが面白い。こんなことがあるから自然って面白いのだ。
今宵、皆既月食が起こっていたその時刻、各地で普段見せないような行動をとっていた生き物がいたのではないだろうか。そう、ひょっとしたらそれは、あなたのすぐそばでも起こっていたのかもしれない。

今日はちょっと真面目?モードでした(笑)。

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2007.08.28 | Comments(3) | Trackback(0) | 雑記

インゲン棚の厄介者

インゲン棚
インゲン棚 EOS5D Tamron28-75mmf2.8
盆も過ぎ、夏ももう終り。昼間は暑くとも朝晩はすっかり涼しくなってきて、吹く風には確かに秋の気配が感じられるようになってきた。丁度今頃、諏訪地方では収穫の盛期を過ぎたインゲン棚が後ろが透けてしまうほど何かに食い荒らされているのが目立つ。そんなインゲン棚をちょいちょいと観察していけば程なく犯人の姿が目に入ってきた。
インゲンテントウ
インゲンテントウ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ2灯
インゲン棚をこんな姿に変えてしまったのはインゲンテントウEpilachna varivestisというテントウムシ。聞きなれない名前だと感じる方もおろうかと思うが、それもそのはず、このテントウムシは比較的最近進入してきた帰化昆虫。英名はMexican Been Beetleといい、その名の通りメキシコの高原地帯が原産のマメ食いテントウムシで、日本で言うならナス科作物の害虫オオニジュウヤホシテントウやカラスウリなどにつくトホシテントウなどと同じマダラテントウ一派に属している。
インゲンテントウ
インゲンテントウ EOS5D MP-E65mmMacro ストロボ2灯
このインゲンテントウは子供向け書籍の写真からその帰化がわかったと言うちょっと変わった経緯を持つ。私が知っているのは数年前の情報だが、その頃は諏訪地方から山梨県韮崎市にかけての中央線沿線で確認されていたはずだ。メキシコ高地を原産とする彼らは高温に弱く、関東の平野部では暑すぎて定着できずにこのような変則的な帰化範囲を示したらしい。最初に確認されたのが1997年の富士見町だそうだが、折りしも私が諏訪にいたのが1998年3月までだったから、丁度その頃彼らは帰化の端緒を抜け、分布を拡大していようとしていたときだったのだろう。事実、それまで私はインゲンテントウを見たことが無かったが、その2,3年後に帰省した折には我が家の庭先にまでインゲンテントウは飛んできていた。
インゲンテントウ
インゲンテントウ幼虫 EOS5D MP-E65mmMacro ストロボ2灯
今はインゲンも元気がないが、ちょっと探してみればいくつもの卵塊や小さな幼虫の姿を目にすることができた。写真の個体は体長3mm程度だが、既にマダラテントウの幼虫らしいトゲ突起を誇らしげに背中に生やしている。
恐らくはもうインゲンテントウも完全に定着しているといっていい頃合なのかもしれない。寄主がインゲンという栽培植物であるから、在来の生態系に及ぼす影響はほとんどないだろう。しかしいままで見ることがなかった生き物が近くにいるというのは妙な感覚である。さてはて、この辺の問題はこれからも数多く出てくると思うのだが、その現象に対する自分自身のとるべき態度と言うのはいまだに見えてこないのである。

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2007.08.27 | Comments(2) | Trackback(0) | 甲虫

ニトベツノゼミとベニヒカゲ

ニトベツノゼミ
ニトベツノゼミ EOS5D MP-E65mmMacro ストロボ
盆休みが明けたかと思ったらなぜか忙しいです。やんなっちゃいますね。
さて、今回は盆休み最終日にぽんぽこ山本さんにご協力いただいて撮った虫をふたつ。まずはニトベツノゼミ。日本最大種のツノゼミという名前の響きはすごいのだけれど、それでもやはり大きな虫とは言いがたい大きさ。ツノの発達は日本産のツノゼミとしては随一といったレベルでツノフェチとしては喜ばしい(笑)。通常はマユミなどに付くとのことですが、ココのものだけはなぜかコブシについていた。もっとしっかりと撮ろうと思っていたんだけど、諸般の事情が絡んでできずじまい。悔しいなぁ。
ベニヒカゲ
ベニヒカゲ EOS5D EF100mmMacroUSM
同じ日にはベニヒカゲの様子を見に行ってみた。とはいっても今回の2種は両方とも撮影するのは初めてなわけですが。
ベニヒカゲは想像していたよりもずっと小さく可愛らしいチョウだった。でも意外に敏感で近づかせてくれないところなどもあり、ヒメヒカゲとイメージがダブるのは同じヒカゲだからなのだろうか…。

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2007.08.19 | Comments(2) | Trackback(0) | 雑記

オニクワガタ

オニクワガタ
オニクワガタ EOS5D Sigma15mmfisheye+kenko1.4Xtelecon ストロボ
13、14日は北信・新潟方面へ行ってきた。特にまとめるほどの遠征記風にするにはちょっと内容不足なのでボチボチといきます。
とりあえず収穫としてはコレが一番かも、というオニクワガタ。かなりカッコイイのだが樹液に来ることがなかったり、サイズが少々物足りないということもあってか、あまり話題に上ることは無いかもしれない。
オニクワガタ
オニクワガタ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ
ブナ林にすむクワガタは大きさでヒメオオとアカアシ、美しさはルリクワ類、個性的なキャラクターではツヤハダとマダラといった具合にそれぞれがユニークな側面をもっている種類が多いため、オニクワはいつも忘れられがちな存在。でもオオアゴは立体的な形をしていているし、よく見ると実はとても面白いデザインをしている。
オニクワガタ
オニクワガタ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ
オニクワガタは基本的には朽木の上を生活の舞台としているクワガタ。だから発生している木を舐めるように見ていけば交尾しているものを見ることもある。
しかしこの写真はずぼらをして撮ったので出来がイマイチですな。こういった黒い甲虫はストロボ一灯で撮ると影と体が一体になってしまうのでよろしくない。写真を整理しながらマクロツインを使えばよかったかな…とか思ったのでありました。

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2007.08.16 | Comments(5) | Trackback(0) | 甲虫

ようやく出揃った?夏のセミたち

今年は例年に比べて変な発生をしていたセミたちだが、今になってようやく出揃ったようだ。すでにエンマコオロギやウマオイが鳴き出し秋の雰囲気も漂ってきている季節だが、昼間はまだまだ暑くセミたちの鳴き声が響いている。
エゾゼミ
エゾゼミ EOS5D Sigma15mmfisheye+kenko1.4Xtelecon ストロボ
カラマツやアカマツの林で最優先しているのはエゾゼミ。数はやたらと多く、こうした林に入るとまるでエゾゼミの声のシャワーを浴びているような錯覚に陥ぐらい声が大きい。
エゾゼミ
エゾゼミ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ
下草で鳴いていたエゾゼミ。前胸背後・側縁の縁取りが一部欠けていてコエゾゼミと紛らわしい。背中の白紋がしっかり出ているのが区別のポイントかな。諏訪にはアカエゾゼミは分布しておらず、エゾゼミとコエゾゼミのみが分布している。
アブラゼミ
アブラゼミ EOS5D EF300mmf4L IS USM ストロボ
今年は発生が遅れていたアブラゼミも今になって数を増してきた。ジリジリジリ…と言う鳴き声は暑苦しいと言われるけれど、この声が鳴ければ夏はなんとも寂しくなってしまうんじゃないかと思う。普通種だけに、意外と写真を撮っていないんだよね。
ミンミンゼミ
ミンミンゼミ EOS5D EF300mmf4L IS USM+kenko1.4Xtelecon ストロボ
ミンミンゼミは今、メスの羽化ピークっぽい。鳴き声はよく聞くけれど、皆高~い梢で鳴いているので探し出すのにちょっと手間取った。子供の頃はアブラゼミとミンミンゼミを手づかみでたくさん採った記憶があるけれど、今は世間体なんてものがあるので人の家に向かってカメラを向けるのはちょっと抵抗がある。
ヒグラシ
ヒグラシ EOS5D Tamron28-75 f2.8 ストロボ
夏の一日の終りを告げるヒグラシ。そのイメージから遅い時期に出る印象を持たれることもあるが、実際はかなり登場時期は早い。早朝や曇りの日などにもよく鳴くけれど、やはり夕暮れ時に聞く声に風情を感じてしまうのは日本人だからだろうか…。

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2007.08.13 | Comments(2) | Trackback(0) | セミ・ヨコバイ類

伐採木に集まる甲虫たち

シラフヒゲナガカミキリ
シラフヒゲナガカミキリ EOS20D Sigma15mmfisheye+kenko1.4Xterecon
林道脇に積まれていた伐採木。
いくつかの虫に出会えたのでご紹介です。まずはシラフヒゲナガカミキリ。どーもゴマダラカミキリに似た雰囲気。
フタスジハナカミキリ
フタスジハナカミキリ EOS20D Sigma15mmfisheye+kenko1.4Xterecon
フタスジハナカミキリも来ていた。近くではノリウツギが満開で、たくさんのハナカミキリ達が訪れていた。
フタスジハナカミキリ
フタスジハナカミキリ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ
次世代のために頑張るお母さん。
ルリヒラタムシ
ルリヒラタムシ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ
はっ!!隙間から見えるあの翅は…。
残念ながらこの個体は既に召されていた。
ルリヒラタムシ
ルリヒラタムシ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ
しつこく探しているとなんともう一匹発見!!
この邂逅を何度夢見たことか…。
ベニヒラタムシと姿はそっくりだが、まず大きさが全然違い、こちらの方が倍近く大きい。また青い前翅が実に美しい。
なぜかこの個体は触角をアリに噛まれていた。どんな経緯があったのか、そこまでは分からないが…。

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2007.08.10 | Comments(2) | Trackback(0) | 甲虫

ムモンアカシジミ

ムモンアカシジミ
ムモンアカシジミ EOS5D EF300mmf4L IS USM ストロボ
以前から気になっていたムモンアカシジミ。これまでまともに見たことが無かったのだが、8月4日にようやく初めてのコンタクトをとることができた。場所的には何度も通った林であって、別にムモンアカに出会おうなんて考えてもいなかったところだった。どうしてこれまで出会うことが無かったのだろうと不思議に思うのだが、恐らくここでは今年になってから数を増したのではないかと思う。
ムモンアカシジミ
ムモンアカシジミ EOS5D EF300mmf4L IS USM ストロボ
土曜は特に当て所もなく気ままに歩いていた。昼近くなり「そういやそろそろムモンアカの季節だっけ…ちょっと探しにいこうかな…」と考えていたときに偶然目の前を鮮やかなオレンジ色が横切ったのだった。この林は誰かがコナラの木を植えたらしく、若めのコナラが整然と並んでいる林だ。その中に最近植えたらしい幼木がある一角があり、そうした開けた場所にムモンアカたちは集まっていた。どの幼木にもクサアリの仲間がたくさん歩いていて、なるほどこれなら生息環境として間違いないだろう、そう思える場所だった。
つまり
コナラ植えられる

アブラムシ増殖、クサアリ ぼんばー!!

ムモンアカ増える
のコンボが成立したのだろう。
ムモンアカシジミ
ムモンアカシジミ EOS5D Sigma15mmfisheye+kenko1.4Xtelecon ストロボ
午後2時ごろになるといつの間にやら交尾ペアが目の前に降りて来ていた。すぐ近くの梢にもペアや単独の個体が見えていた。もう少し早く知っていれば幼虫にもお目にかかれたかもしれない。
このチョウは成虫も綺麗だが、それよりも幼虫の生態の方が気になるものなぁ…。

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2007.08.07 | Comments(2) | Trackback(0) | チョウ

アカマダラハナムグリ

カブトムシ
カブトムシ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ2灯
先日土曜の夜は、樹液に来る虫たちを撮影しに山梨まで行っていた。一番の目的はノコギリクワガタを確保することだったのだが、これがどうしたことか見つからない。カブトムシばかりがよく目立った夜だった。
でもカブトムシも改めてみると撮り甲斐がある被写体かも。
アカマダラハナムグリ
アカマダラハナムグリ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ2灯
樹液には沢山の虫たちがやってきていたが、そんななかでちょっと控えめに、でも独特の存在感を放つ虫が、このアカマダラハナムグリ。日本産のハナムグリでは近縁種がおらず、また普段はなかなかお目にかかれない種類だ。が、この撮影をした谷の周辺では例外的にアカマダラハナムグリが多く、ほとんどの樹液に複数のアカマダラハナムグリが見られる。個人的にとても貴重な場所なのである。
アカマダラハナムグリの生態は永らく不明とされてきていたが、最近ではなんと猛禽類との関係が疑われているようだ。もちろん自分はそんなところにまではタッチできそうに無いが、現在数名の研究者が熱心に研究をされているそうである。我々アマチュアは楽しみにその結果が出るのを待つことにしたい。
アカマダラハナムグリ
アカマダラハナムグリ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ2灯
ちなみにこの独特の模様は樹液が出ているところに潜り込んだときに見事なまでの隠蔽効果を発揮する。コガネムシの擬態というとすぐに思いつくのは葉っぱ(体色が緑)かハチかといったところだが、ここまで巧妙に樹皮に溶け込むコガネムシはそう多くないのではないかと思う。このワザを初めて見たときには、おもわず自然の妙に唸ってしまったのだった。

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2007.08.03 | Comments(2) | Trackback(0) | 甲虫

オナガシジミとミドリシジミ

オナガシジミ
オナガシジミ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ
なんだかんだでずいぶんと更新の間が開いてしまった気がしますが、それはきっと気のせいです…ってのはちょっと無理がありますかね(笑)…。
先週後半は九州まで出張に出ていたので土曜は寝坊して昼からでも撮りに行けそうなオナガシジミを狙ってみることにした。以前卵を見つけたオニグルミ林に入っていくとすぐに飛び出してくれたオナガシジミ。昨年も一応撮影しているものの、両の触角がとれた不完品だったので今回ようやく五体満足なオナガシジミに出会うことが出来、少し幸せな気分になれた。が、この写真を撮ったすぐあとに大粒の雨が激しく降ってきたので撮影はやむなく中断。ちょっと不完全燃焼気味だがしかたない…か。
ミドリシジミ
ミドリシジミ EOS20D EF300mmf4 L IS USM+kenko1.4*telecon
日曜の朝にはミドリシジミを探しに行ってみる。早朝見回ってみたが下草の上では見つけることができなかった。そもそも下草上のゼフに出会えたことなど数えるほどしかない自分。どこか探し方やコツを間違えているのかもしれない。
5:30から一時間半ほど経ち、諦めようとした7:00過ぎにミドリシジミがようやく姿を現した。3、4回ほど梢から降りてきたものの、大きく撮影できる位置に降りて来てくれたのは一回のみ。ミドリシジミ達は10分ほど辺りを舞ったのち、その姿を消してしまった。とりあえずミドリシジミの成虫に出会えたのは7年ぶりくらいかな。これからもう少し行動パターンなどを観察してみたい。

実はこの写真を撮った直後から体の調子がおかしくなって、その後二日間ほどまともに動けず家で半寝たきり状態。会社を病欠したのも久しぶりだった。疲れているときには休むのも大切、かもしれないなぁ。

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2007.08.01 | Comments(0) | Trackback(0) | チョウ

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spatica

Author:spatica
生息地:信州諏訪地方
性別:♂
ムシは好きだが見つけられない、典型的なふしあなさん。
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