
後輩に案内してもらったとある納屋。
見るからに雰囲気があり、いかにも何か出そうな風情。
後輩は「トトロっぽいな~」という。
「出てくるんならならまっくろくろすけだろうなぁ」そんな言葉を返した。

納屋の中は藁束や肥料の袋などが乱雑に重なり、ほとんど人手が入っていない様子が伺える。
奥の土壁も崩れ、中の石積みがむき出しになっていた。
促されるまま、重なるものをどかしていく。
程なくして、小さな黒い影が素早く走った。
おお、出たなまっくろくろすけ。

このまっくろくろすけはススワタリヤマトオサムシダマシBlaps japonensisという。
古い納屋のような乾燥した場所を好み、野外ではほとんど見られないこと等から物資に紛れて日本に侵入したのではないかとも語られるが、真偽の程はさだかではない。
ただ分かることは、彼らの起源が乾燥した大陸にあるであろうということ、そして多湿な日本という土地では納屋のような人為的な環境が彼らの拠り所であり、その減少(だけでもなさそうだが)に伴って姿を消しつつあるということだ。
里山の営みの中、人々の足元でひっそりと息づいてきた愛すべき?まっくろくろすけの姿が、いつまでも見られることを願う。
2013年8月17日 近畿地方某所 EOS7D EF17-40mmf4LUSM,EF100mmf2.8LMacroISUSM ストロボ(MT-24EX)
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2013.08.31
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休憩によったPAで外灯の下にいくつかのアオドウガネAnomala albopilosaの死体。
生きている個体はほとんど見られず、一抹の寂しさを感じた…が。

実際にはすぐ脇の植栽されたサクラを多数の個体が暴食していた。
全く持って雰囲気ぶち壊し。
俺の感傷的気分を返せ。
基本的には緑色だが、見る角度、そして個体によって色は変わる。

緑の強い個体がやはり美しい。
これもまた普段は見られない種類なので嬉しかった。
2013年8月18日 愛知県 EOS7D EF100mmf2.8LMacroISUSM
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2013.08.30
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一時、毒グモ騒動で有名になったクモ。
既に騒がれなくなって久しいので姿を消したのかと思いきや、実際にはそうではなかった。
コンビニの看板の下、グレーチングの中、そして公園のベンチの下…それこそこんなところに?というところにまで極々普通に見られたのである。
騒がれなくなったのはどうやら、"いて当たり前"でイチイチあーだこーだと言ってられなくなったというのが本当のところだろう。
そもそも日本人は騒ぐだけ騒いであっという間に忘れることが得意な民族だということを改めて感じさせられた。
外来種だから当然と言えば当然だが、日本らしくない独特のその模様、ヒメグモみたいに見えて、思ったよりはるかに強靭な糸。
異質な存在感は、どこにでも潜んでいた。
2013年8月17日 奈良県 EOS7D EF100mmf2.8LMacroISUSM ストロボ(MT-24EX)
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2013.08.30
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後輩を訪ねるのにあたって、真っ先に候補に浮かんだのがクマゼミとこれ、ヒラタクワガタDorcus titanusであった。
西日本の人にとってはなんということもないクワガタらしいが、自分にとってはやはり憧れの一つである。
過去に関東で採集したこともあるが、それ以来、既に10年以上は本州産のヒラタクワガタにはお目にかかっていなかった。

見慣れていないせいか、♀は案外特徴をつかみにくいなぁという印象。
こうして写真に撮るとオオクワガタと似ているなぁと感じる。
ヒラタクワガタといえば一つ。
小学生の頃、諏訪でヒラタクワガタを採集したことが一度だけあった。
いまだによく覚えているが、あれは間違いなくヒラタであった。
しかしそれ以後は当然見つけられてすらいない。
標本も残っていないので証拠はないが、あれは一体なんだったのか、心の片隅に今でも引っかかっている。
2013年8月17日 奈良県 EOS7D EF100mmf2.8LMacroISUSM ストロボ(MT-24EX)
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2013.08.30
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公園の路上に多かったコハンミョウCicindela (Myriochile) supecularis。
コハンミョウは川原などで時々見るが、コハンミョウは見たことがあっただろうか。
2013年8月17日 奈良県 EOS7D EF100mmf2.8LMacroISUSM ストロボ(SP270EXII)
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2013.08.29
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案内を頼んだ後輩(トンボ屋)に「西日本らしいトンボでなんかいない?」とリクエストしたところ、タイワンウチワヤンマIctinogomphus pertinaxの場所を教えてもらった。
不勉強につきウチワヤンマとの違いを知らなかったため区別点を教えてもらうと、うちわが真っ黒だったらタイワンウチワだとのこと。
もう一つ、未だ見ぬヤブヤンマも見てみたかったのだが、そちらは残念ながら空振りだった。
2013年8月17日 奈良県 EOS7D EF300mmf4LISUSM バッサリ大胆にトリミング
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2013.08.29
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ツマグロバッタStethophyma magister。
見ることの少ない種だと思うが、不思議といるところにはたくさんいる。
湿地のような湿り気の多いところが好きなようだ。
いつの間にやらツマグロバッタと名前が変わっているが、個人的には昔からなじみのツマグロイナゴモドキの方がしっくりくる。
保守的と言われてもしかたないか…。
2013年8月17日 奈良県 EOS7D EF100mmf2.8LMacroISUSM
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2013.08.29
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最近分けられたニシキリギリスGampsocleis buergeriとヒガシキリギリスG.mikado。
一度見ておかねばと思っていたのだが、こんなに早くその機会が訪れるとは思ってもいなかった。
で、見た感想はと言えば…♀は確かに違うなぁと思うのだけど、♂はちょっと見分けが付けにくいかも…?というところ。
とにかく今の直翅は混沌としていて、かなり難しいよなぁ。
2013年8月16日 奈良県 EOS7D EF100mmf2.8LMacroISUSM ストロボ(SP270EXII)
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2013.08.28
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最近急激に北上を続けているキマダラカメムシErthesina fullo。
もう既に関東南部ではかなり見られるようになったとの噂も聞く。
大型で格好の良い種類ではあるが、外来種であることを考えると複雑な気分になる。
ヨコヅナサシガメの如く、そのうち信州でも跋扈してしまうのだろうか。
2013年8月17日 奈良県 EOS7D EF100mmf2.8LMacroISUSM ストロボ(SP270EXII)
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2013.08.28
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ユミアシゴミムシダマシPromethis valgipes
これといったポイントはないが存在感はあるという捉え所のない存在。
武骨というかなんというか。
2013年8月16日 奈良県 EOS7D EF100mmf2.8LMacroISUSM ストロボ(MT-24EX)
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2013.08.28
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