納屋の奥のまっくろくろすけ
後輩に案内してもらったとある納屋。
見るからに雰囲気があり、いかにも何か出そうな風情。
後輩は「トトロっぽいな~」という。
「出てくるんならならまっくろくろすけだろうなぁ」そんな言葉を返した。
納屋の中は藁束や肥料の袋などが乱雑に重なり、ほとんど人手が入っていない様子が伺える。
奥の土壁も崩れ、中の石積みがむき出しになっていた。
促されるまま、重なるものをどかしていく。
程なくして、小さな黒い影が素早く走った。
おお、出たなまっくろくろすけ。
このまっくろくろすけはススワタリヤマトオサムシダマシBlaps japonensisという。
古い納屋のような乾燥した場所を好み、野外ではほとんど見られないこと等から物資に紛れて日本に侵入したのではないかとも語られるが、真偽の程はさだかではない。
ただ分かることは、彼らの起源が乾燥した大陸にあるであろうということ、そして多湿な日本という土地では納屋のような人為的な環境が彼らの拠り所であり、その減少(だけでもなさそうだが)に伴って姿を消しつつあるということだ。
里山の営みの中、人々の足元でひっそりと息づいてきた愛すべき?まっくろくろすけの姿が、いつまでも見られることを願う。
2013年8月17日 近畿地方某所 EOS7D EF17-40mmf4LUSM,EF100mmf2.8LMacroISUSM ストロボ(MT-24EX)
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2013.08.31 | Comments(2) | Trackback(0) | 甲虫
