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クロフカバシャク

ヤマナラシ
開き始めのヤマナラシの花穂。
雌雄異株とのことだがこの花穂はどちらのものか…雄花っぽいがよくわからない。
今年の春は昨年より1週間~10日ほど遅めの進行だった。

さて、その話が最初に舞い込んだのは一昨年の春頃だったように思う。
ネット上で怪しいカバシャクの画像を見つけた、アップしている人が信州の人なので調べてもらいたい…という話である。
早速画像を撮られた方に連絡を取り、実際にその姿を見ることができたのは翌年の春。
クロフカバシャク♂
地面に舞い降りてきたクロフカバシャクの♂(2016年3月撮影)
同じ属のカバシャクとは♂の触角が鋸歯状になることで明確に区別される。

そもそもクロフカバシャクというのはそれまで馴染みのなかったガだった。
旧北区北部に広く分布し遠くはヨーロッパや北アフリカまで生息するものの、日本では青森と岩手でのみ記録があるという種であったからそれも無理はなかろう。
今回の記録が長野県初記録となった。
2015年にze_phさんが青森では30年ぶりとなる発見をしたことが記憶に新しかったが、今回の連絡はそのze_phさんところからいただいたもの。
なんというか、インターネットというやつは青森にいながらにして信州のクロフカバシャクを探し当ててしまうということを可能にしてしまったらしい。
クロフカバシャク♂
♂(2016年3月 室内 上の写真とは別個体)
ヤマナラシ樹上を飛ぶクロフカバシャク
ヤマナラシ樹上を飛ぶクロフカバシャク(2016年3月)
黒い点がクロフカバシャクだがこれではさっぱりわからないか。
中央上と右側に2匹の計3匹が写っている。
どうも昼ごろから梢の高いところを飛び回るようで、その様子は2017年にも観察できた。
ヤマナラシが大きいので私の6.3m竿では辛うじて一番下の枝に届いくだけで、まったく手が出なかった。
クロフカバシャク
同時に撮った別カットから切出し。
ちなみにこの場所昔から昆虫採集で有名な場所の近くで、そこでは古くからカバシャクが産することが知られていたようだ。
にもかかわらず現在まで本種が未発見だったのは、カバシャクより1ヵ月も早い発生時期にあったのだろう。
カバシャクが採れるのはヒメギフチョウが飛ぶ頃だから、その1ヶ月前ということはまだ雪が降るような時期。
この時期に昼間歩き回る蛾屋さんがいなかった…きっとそういうことだろう。
クロフカバシャク
今年は比較的梢に近づけるところを見つけたのでそこで観察。
前述の飛び回る時間帯は、枝にとまったり飛び出したりをずっと繰り返していた。
遠い上に逆光のため何をしているのかまでは分からず。
クロフカバシャク♀
クロフカバシャク♀(2017年4月 室内)
このときなんとかネットインできた1個体が♀だった。
雄と比べると白斑が発達していて、最初に見た時は別のガだと思ってしまったほど。
ちなみに採卵を試みたが残念ながら産んでくれなかった。
長生きはしてくれたが最初の管理が良くなかったのかもしれない。
とほほ…。

2016年3月、2017年4月 長野県

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2017.04.30 | Comments(0) | Trackback(0) |

早春の水辺で

水たまり
山間の谷間にある小さな水たまり。
ヤマアカガエルの卵
そろそろかなと覗き込んでみれば、やっぱりあったヤマアカガエルの卵塊。
早いものは既に発生が進んでいて胚が動き始めているものもあった。
ホソフタモンメダカハネカクシ
カエルの卵を見ていたら、足元を動き回る小さな姿に気が付いた。
たくさんいたのはホソフタモンメダカハネカクシ。
ちょこまか動くので相性の良い個体を探して撮影した方が楽だった。
メダカハネカクシの仲間にはトビムシを捕食するものがいて、その捕食方法がヤゴみたいに下唇を伸ばして獲物を捕らえるというのだから驚きだ。
今回の観察では見ることはできなかったけれど、いつか撮ってみたいと思う瞬間である。
ホソメダカナガカメムシ
もっと小さな姿はホソメダカナガカメムシ。
体調は3mm程と大変小さなカメムシだが模様はなかなか個性的。
水辺にあった小さなスゲ類を寄主としているのだろう。
目には見えにくいけれど、小さな春はだんだんと動き始めてきた。
梅の花はだいぶ咲いてきたし、桜の花ももうすぐ本格的に咲き始めることだろう。

2017年4月 長野県諏訪郡

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2017.04.14 | Comments(0) | Trackback(0) | 甲虫

ウスバシロチョウの幼虫

ムラサキケマン
里地の片隅にある草むら。
一見まだ一面の枯草のように見えるが、よくよくみれば地面に芽吹き始めたムラサキケマンが点々と見つかる。
毎年ここに黒とオレンジの芋虫を探していたのだが毎回空振りが続いていた。
ウスバシロチョウ幼虫
今年はめぐりあわせが良かったのか、ウスバシロチョウ幼虫のせかせかと忙しく動く姿を見つけることができた。
今シーズンは季節の進みが遅いしまだ孵化していないのかと思っていたが、個体差はあるもののどう見ても結構育っている個体もちらほらと見受けられ、想像以上に早く孵化するらしい。
ここ数日だって何度も雪が降っているというのになんとも逞しいもんだ。
ウスバシロチョウ幼虫
ウスバシロチョウ自体はどこにでもいる感じだし、食草のムラサキケマンもまた然り…なのだが、今回見た限りだと決まったところにまとまっている感じなので、広く探さないと見つからないのかも。
とりあえず一回目はクリア、ということで再現性が出せるようにもう一回ぐらいは探しに行きたいところではある。

2017年4月 長野県岡谷市

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2017.04.03 | Comments(0) | Trackback(0) | チョウ

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Author:spatica
生息地:信州諏訪地方
性別:♂
ムシは好きだが見つけられない、典型的なふしあなさん。
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