混ざっていたら分からない
昨年の11月だったか、twitter上でどなたかがツイートしていた内容に目が留まった。
学会での発表で、なんと日本のヨツボシテントウダマシは1種ではなく3種だった、という内容である。
詳しいことはすぐには分からなかったが、ヨツボシテントウダマシという身近で顕著な種に複数種が含まれていたなどとは思っていなかったので印象によく残っていた。
また、論文自体は学会誌に掲載されたようだったが学会員でなくともPDFでDLできたのでちょこちょこと読んでみると、3種のうち新たに記録されたニセヨツボシテントウダマシはまだ福島でしか採れていないが、もう一種のベニヨツボシテントウダマシは結構広い範囲で採れていて、長野県内だと木曽福島で採れているみたい。
ははぁ、こりゃ近くにいそうだな…ということでもって、積極的に探しはしないながらも、頭の隅に置いておくことにしたのだった。
で、先日。
いつも行く林縁で何げなく転がっている丸太をひっくり返してみたら、いたのである。それっぽいのが。
ただこの個体は♀だった。
生殖器とかいろいろ検鏡すればおそらく同定できるのだろうが、ズクなしの自分としてはそれはめんどくさいのでできるだけしたくない。
それに、斑紋にも傾向はあるようだが変異の幅が広く、確実な識別点とはなり得なそうだった。
検索表を見直したところ、♂だと簡単に見分けられそうだったので同じ場所で♂を探すことにした。
♂いた。
これまで真面目に見ていなかったけど、ヨツボシテンダマも前胸背板の形状が雌雄で大きく異なるということを知ってちょっと嬉しい。
早速持ち帰って中脚及び後脚の脛節でもって判断。
結果、ベニヨツボシテントウダマシでおk。
今回は1♂3♀採れたが斑紋は安定していたので問題ないだろう。
…まぁこんなのを撮っても喜ぶのは虫屋だけである。
大半の人には5mmもない虫のちょっとした違いなど何の意味も持たないし、何の得にもならないだろう。
写真の需要もないだろうし。
けど、やっぱりいままで何気なく見ていた世界に新しい色が付くってのは楽しいもの。
ああこういうのって楽しいなぁと、改めて再認識したのだった。
ちなみにこっちが普通のヨツボシテントウダマシ。
こんなん混じってたら分かりませんがな~。
1,2枚目:2018年2月 長野県 3枚目:2017年12月 山梨県
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2018.02.26 | Comments(0) | Trackback(0) | 甲虫
