樹皮下の副産物
この日は山梨某所へ。
以前からあのタマムシを探しに訪れていたポイントが物理的にアクセスできなくなってしまったので、時間があるうちに近くで良さげな場所を探しておきたいと立ち寄った。
さて、何はともあれ、林の中に生えているスギやヒノキの樹皮を淡々とめくっていくがさすがにそう上手くはいかないもので、やっぱりアイツは珍品なのだと思い知らされる。
こういう時は途中の副産物を楽しみにするのが常ってもの、今回は見慣れないヒラタカメムシが出てきた。撮影してみると深い彫刻とうっすらと黄緑色を帯びた体毛が何とも渋い。
続いて出てきたのはカビに覆われたクモの死骸…だと、最初は思った。
かつては記録が少なく珍しいクモの一つだったようだが、目立つせいかネットではたくさん画像がヒットしてくる。珍しいと聞けば人はついつい探してしまうもの、ただ単に探していた人が少ないがために記録があまりなかったものなのだろうか。
鳥糞擬態とも呼ばれる独特の姿と模様は何とも珍妙。曰く、匂いを出してハエを呼びとらえるとかまことしやかに囁かれているらしいが、どうにも私の鼻はお馬鹿らしくその匂いとやらは判然としなかった。しかし東南アジアで見た同属の種類より明らかに大きくて立派で驚いてしまう。
今回のように目的のものは見つからなくてもこういう副産物が見つかったときは、ちょっとだけ幸せな気分で帰路につくことができるものだ。精神衛生上大変よろしいのでぜひ副産物さんには今後ともご活躍いただきたいものだと切に思う。
2023年1月 山梨県
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2023.01.21 | Comments(0) | Trackback(0) | 虫以外の蟲とか
