新潟プチ遠征:出始めのフユシャクたち
初冬のブナ林 EOS20D Sigma17-70mmZoom PL
18-19日の二日間で再び新潟まで行ってきた。特に目的はなかったけれど、とにかく自分が体験していない季節を感じてみたかったからだ。今回はくぼ氏も行きたいというので現地で落ち合うことにした。埼玉と長野という地理関係上、現地集合現地解散が一番手っ取り早い。結局、片道の所要時間はさして変わらないということが判明したのが収穫だったのかもしれない。
クロスジフユエダシャク♂ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
少し標高の高いところではフユシャクが出始めていた。フユシャクと言ってもわからない人もいるかもしれないが、要は成虫が冬にのみ出現するシャクガ(シャクトリムシの成虫)の総称である。この類は分類的にまとまっているわけではないのだが、いずれも♀の形態に共通する特徴があるのでそう呼ばれている。とりあえずその特徴は後にお見せするとして、ここではそんな変わり者のガがいるということだけおさえておいていただきたい。
車で走っているときから視界の隅をちらほらとガが待っているのが分かった。昼間に飛翔していることと時期的なことからクロスジフユエダシャクではないかと思っていたのだが、どうやらこれが当たりだったようだ。もっとも最初のうちは半信半疑で、別の種類のガだと思い込んでいたのだが…。
ウスバフユシャクの一種 EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
2日目の午前をマターリと過ごした後、昼飯を食べに山を降りることにした。その道すがら、道路脇のミズナラの周囲を沢山のガが飛んでいるのに出くわした。ちょっと異様な雰囲気を感じつつ、その近くまで行ってみると、草の上で静止しているウスバ系のフユシャクを見つけた。フユシャクがもう出ている?あたりを飛び回っているのは別の種類だが、厳冬期に出てくるウスバ系のものがいるなら、飛んでいるものもフユシャクの可能性が高い。とにかく飛んでいる個体を撮影すべく、しばらくその場で待ち構えていた。
クロスジフユエダシャク交尾 EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
飛んでいる個体は落ち着きがなく、なかなか撮影しづらい。しばし苦戦していると、いつの間にかミズナラの幹に一匹がとまっていた。こりゃ撮影のチャンスかいのぅ…。ひとしきり撮影しくぼ氏にバトンタッチする…と、くぼ氏が「こいつ交尾してるんじゃないの?」と言い出した。
ハ?
よっく見てみると、確かに♂の後ろに♀の姿がある。完全に見逃していた。すぐに撮影した画像を確認すると、しっかり♀の姿が写っているではないか。ぐふっ…なんたる失態か…。ちなみにこの写真では上が♀で下が♂だ。
クロスジフユエダシャク EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ2灯
同じ幹にいた別の♀個体。これだけ見せられて「これ ガなんです」と言われてもにわかには信じがたいだろう。フユシャクの♀の特徴は、なんといってもその退化した翅にある。クロスジフユエダシャクでは左右に痕跡的に残っているが、種類によっては完全に消失してしまっているものもある。こんなフユシャク♀の姿に憧れて、昨年の冬は夜中に随分と歩き回ったものだった。
オオナミフユナミシャク♀ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
同じ木にいた別種の♀。発生時期と標高、それに模様からしておそらくオオナミフユナミシャク(舌噛みそうな名前だ)の♀ではないかと思う。こちらは少し翅の退化が緩やかで、それがかえってアンバランスな感じを受ける。
そろそろ諏訪でもフユシャクの活動が始まる頃だ。
一年を締めくくる最後の活動が始まる…そのためのスイッチを入れてくれた、新潟の旅だった。
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2006.11.21 | Comments(3) | Trackback(0) | プチ遠征
