オオアオカミキリ
前回のアカエゾ詣でのあとは午後がぽっかりと空いた。
折角木曽まで来たのだからと足を延ばし、以前見たオオアオカミキリのポイントを訪ねてみることにする。
本種が集まるのはクルミ類の衰弱木というが、集まっていた木は何故か相変わらず元気で、もちろんオオアオカミキリも当然のように集まっていたのであった。
♀が少ないらしく、♂はひっきりなしに樹幹を駆け回り、小競り合いを繰り返している。
♂同士のケンカは結構激しく、木から落とされたりすることも。
運よく他の♂に干渉されない状況になれば静かにもなる。
かつて、書籍の中でしかその姿を見たことがなかった頃は、本種は晩夏の夕刻に静かに姿を現すミステリアスな存在であった。
が、現実を見ると、運動会があまりにも激しすぎてなんだかビミョーな気分にもなるのである。
個人的にはもうちょっと憂いを湛えたような立ち居振る舞いが欲しいのだが…それも勝手な妄想に過ぎず、本人たちには何ら関係はあるまい。
とはいえ、大型で壮麗なとびきりの美種であることは疑いようもない。
捕まえた時のあの香りを思い出して良い気分になるのも他の虫では考えられないことだろう。
夏の終わりの使者にふと会いたくなるのは、そんな香りが鼻腔に漂ったような感覚を覚えたときなのである。
8.Aug.2015
長野県木曽地方
2015.09.10 | Comments(0) | Trackback(0) | 甲虫
