霧ヶ峰の赤い宝石
数年前からずっと懸案だったムシがいる。
その名もキリガミネハムシ。
何と言っても我が裏山霧ヶ峰の名を冠しているのだから、地元の人間としては是非とも落としておかねばなるまい。
…とまぁここまではよいのだが、これが何度探してもとにかく見つからなかった。
延べで20回ぐらいは探したと思うのだが見つからず、まさにふしあな目の面目躍如(?)という状態が続いていたのだが、今回は既にこのハムシを手中に収めておられるらな・ぽろささんにバックアップをいただけることになり、勇躍霧ヶ峰へと向かったのであった(片道約30分)。
さて、現場でこんな場所だよと教えてもらったところで探すもその姿は見つからず、やはりそう一筋縄ではいかぬことを再確認。
聞けばらな・ぽろささんも昨年は1頭も見なかったというから少ない虫であるらしい。
んー、時間もないしどうしたものか…というところで、私が以前見つけた食草のヒメシロネの群落へ行ってみようということになった。
そこではヤツの姿を見かけたことないが、案内していただいたところに雰囲気が良く似ていたのでちょっと期待。
現着して探し始めると、すぐに食痕と糞が見つかった。
食痕に関しては他の虫の可能性も残るのだが、よくよく見ればあちこちのヒメシロネの葉上に特徴的な糞が残されている。
どうもこやつを探すには食痕より糞を見ていった方が確実なようだ。
半信半疑で探すこと暫し…
ん?
んんん!?
イター!
いたよ、実在してたよ、空想上の虫じゃなかったよ!
形はたしかにヨモギハムシ類そのものだが、想像以上に赤いその上翅がヨモギハムシでないことを物語る。
おおお、さらにもう一頭!
結局ここでは2匹を見つけて大戦果、であった。
で…その日の夕方、もう一度同所に立っている私がいた。
彼の文献には半夜行性ではないかとの記述があったので、それを確かめに来たのである。
時刻は16:30過ぎ。
若干早いが探してみようか。
あ、いた。。。。。
交尾しているペアも。
しゃがみこんでゆっくり周りを見回すと、午前中より多くの個体を確認することができた。
どうも暗い方が活発というのは事実のようだ。
とりあえず今回はここまで見られればいいかな。
なにはともあれこれで喉に刺さっていた小骨が取れたような気がして、ようやくすっきりである。
しかしながら、まだまだこの虫に関する情報は多くはない。
とりあえず、もう少し新しい産地を探してみようかと思う。
※本種のおかれている状況を鑑み、今回の撮影地などについては一切お答えできません。
ご了承ください。
2016年7月 長野県諏訪市
- 関連記事
2016.08.05 | Comments(2) | Trackback(0) | 甲虫
