この巣の住人は?
サクラに付く泡巣 EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
先週の日曜にはいつもよりちょっとだけ足を伸ばして、辰野町の公園に行ってみた。道から見えた植栽のクヌギがちょっと気にかかったからだ。結果としてはクヌギからはクヌギカメムシの卵くらいしか見つからなかったのだが、そのかわりにちょっと面白いものを見つけた。
まず目にしたのがこちらの植栽されたサクラの枝先に付いていた巻貝のような物体。コレは桜並木なんかがあると必ずと言っていいほど見つかるもので、ある昆虫の巣。そんなに珍しいものではない…というかどこでも見かけるし、街中でもあるんじゃないかと思う。
ムネアカアワフキ EOS20D MP-E65mmMacro ストロボ
この巣を作り上げるのはこちらのムネアカアワフキ(2006年5月撮影)。春、サクラの花が散り始め、葉桜になってくる頃から見かけるようになる可愛いアワフキムシだ。前述の通り、ムネアカアワフキの若虫は他のアワフキムシがつくる"泡巣"とは毛色の違う石灰質の泡巣を作って生活していて、これはムネアカアワフキの属するトゲアワフキムシ科に見られる特徴らしい。
シナノキ?に付いた泡巣 EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
で、ここからが本題。
この時は公園に植えられている木を順番に見ていったわけだが、そのうちの一本でこんなものが見つかった。見たところ泡巣のようだがムネアカアワフキの泡巣よりも太短くてどうも雰囲気が違う。もしかして…と下に落ちている葉っぱを拾ってみるとこれがハート型で、うろ覚えだが図鑑で見たことがあった。これはシナノキか?頭の中でなんとなくだが情報が繋がる。日本で記録されているトゲアワフキムシ科の種は4種。そのうち2種については少ない情報からどうも琉球列島に生息しているものと思われるのでとりあえず除外。もう一種はムネアカくん。となると考えられるのは残りの一種、タケウチトゲアワフキしかいない。ホストもピッタリだ。
シナノキ?に付いた泡巣 EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
改めて木を見上げてみると、どの枝にもこんな状態で泡巣が鈴なりだった。タケウチトゲアワフキは地元に戻ってから探していた虫の一つで、随分昔に一度出会ったことがあるのみだ。そのときは環境調査のバイト中だったために撮影できず(標本は手元にあるけどね)、悔しい思い出となっていた。春から夏になれば成虫に出会えるかな?
こういう出会いもあるから、寄り道は侮れない。
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2007.02.21 | Comments(2) | Trackback(0) | セミ・ヨコバイ類
