2016年7月タイ出張報告(その1)
さて、7月に行ったタイの記事をボチボチと…。
え?4月?
そ…それはまた今度…。
前回使ってみたら案外いいぞーと感じたので今回も前回同様タイ国際航空を利用。
眼下に広がるのはバンコク近郊の田園地帯。
帯状の集落とその間を埋める田畑というのがこの辺の典型的な形みたい。
帯状集落の中心を走るのは道路…ではなくて水路。
低くて平らな地域では昔から水運の方が重要であった名残なんだと思う。
夕方にバンコクに着き、現地で毎度お世話になるカオヤイさん(毎回すみません)、Yさん夫妻とYさん(ややこしいな(笑))を交え夕食をとったりし、翌日から行動開始。
最初二日間のKaeng Krachanへ向かう道すがら、田園地帯に寄り道してもらう。
前回チェンマイへ行ったときはタイ全土で干ばつだったとのことだったが、雨期に入っただけあって水路も田圃も豊かな水を湛えていた。
水面を眺めていると時折波紋が広がるが、さてオタマかバルブかベタの類か?
アナバンだとテンション上がるのだが、今回もタモは忘れている。
今回ここへ寄り道したのはハタオリドリが見られるから、というお話だったからなのだが…ホントに道脇に普通にあって驚いた。
♂はレモンイエローの美しい種類。
見ればなんとなくわかると思うが、色は違えど形はスズメと共通するところがある。
声も似てるし流石同じハタオリドリ科なだけあると地味に納得。
♀はオスに比べると地味なのもテンプレ通り。
(`・ω・´)キリッ
カヤツリグサ科の草の上だけでなく、周囲の灌木にも巣が~。
これは別種のようだけど混棲していた。
移動途中別ポイントに寄り道。
ソロンフタオCharaxes solonが出てきてちょっと嬉しい。
前回から探してほしいとお願いしていたのがコレ。
タランチュラことオオツチグモの仲間ですね。種類がよく分からないのだけど、なんちゃらブラックとか言うやつだろうか?
立派なオオツチグモを見るのは夢の一つだったので、大変感激。
枝先を見上げればオオカメムシの幼虫がいたりして、嗚呼ここは熱帯なのだと改めて嬉しくなる。
朝はこうしてオオトカゲがのんびりしてたりして天国。
良い倒木があると伺ったのでそこへ行ってみると、道を横断する形で倒れた木が切断されて転がっており、クモゾウムシがたくさん来ていた。
ここまでは同じ種類かもしれない。
ケンカしているところを動画で。
TG-4は被写界深度も深いのでこういう動画には使いやすそう。
ただ、ズームすると動作音が入ってしまうのが難点…。
これは別種だと思う。
これも違う種類だが、どこかで見たようなカラーリング。
結構考えたのだが結論は「ああ、これ柴犬だ」
シバイヌクモゾウムシと名付けよう…。
ゾウムシの類は多い。
そんなこんなでゾウムシを撮影していると、白昼堂々と大きなカミキリムシが飛んでくる。
しかも13時とかそんな時間になると次々飛んでくるのでなんじゃこれ?となってしまう。
うむうむ、シロスジカミキリ似のかっこいいカミキリだ。
手持ちの図鑑ではBatocera rubusなる種が一番近そう。
和名は…と調べてみたらこれがイチジクカミキリそのものであった。
日本では沖縄本島に侵入している外来種である。
顔はシロスジカミキリそのものですな。
倒木には獲物を求めてカッコウムシも何種か来ていた。
ところで二枚目の画像左下にいる虫の正体が絞り込めない。
顔つきを見る限りゴミムシ系には見えず、カッコウムシは近そうだがそのものという感じもしないし…。
倒木に多かったホシカメムシの仲間の幼虫。
その成虫と思われるもの、その1。
その2。
双方ともホシカメムシ科の典型とも言えそうな体型をしているのだが、色の違いは同種内の変異なのか?性別か?あるいは別種なのか…?
キノコカスミカメの仲間。たぶんランカウイで見たのと同じ種類。
日本のオオキノコムシはオレンジが多いけど、熱帯は黄色系が優勢か。
顔つきは日本のものと良く似ている。
シロカミキリの一種。
種類までは分からず。
触角のフサフサが特徴的なカミキリムシ。
Imantocera penicillataという種が図鑑に載っているけど、それかなぁ。
変なフォルムのアブ。
木の下から出てきた美しいゴミムシの一種。
この色は初めて見た。
こういうところにはトゲヒシバッタは定番。
ヌルヌルテカテカ、ミツギリゾウムシの一種。
トレイル行きまーす。
前回来た時よりも少し乾燥気味になったかな?という印象。
トレイルを横切る細流にはチョウが集まる。
車が通るたびにチョウ吹雪が舞いあがる。
そういえば小さな女の子が一眼レフでチョウを撮りにきていてびっくり。
ここはツマベニチョウが多かった。
さらに細いトレイルへ。
ヒゲナガゾウムシは良い模様をしたものが多くてついカメラを向けてしまう。
オオカの仲間。
曲がった口吻はどうやって使うのか?
熱帯へ来ると樹幹性のサシガメが非常に多い。
日本だとヨコヅナサシガメぐらいかと思うのだけど、それだけエサ資源が豊富なのだろうか?
こういう仲間は幼虫時に食べかすを背負うことが多そうだ。
鮮やかなビワハゴロモの一種。
以前は種類も個体数もたくさんいたとのことだったが、今回はこの一匹だけしか見られなかった。
ひこばえにいたキリギリスの仲間の幼虫。
熱帯はイトトンボの方が色彩が豊かで面白い。
こういう白いイトトンボというのも不思議に感じる。
やたらカッコいいバッタ。
これは見惚れる…。
倒木にいたタマヤスデの一種。
カラフルで可愛らしい。
お顔。
明るい草むらは暑いのであまり近寄らないのだけど…道脇には色々と出てくる。
カメノコハムシは種類、個体数とも多い。
赤いカノコガ。
こういうヨコバイも集めたらきれいだと思う。
ホリイコシジミ。
日本にもいる種だが、きちんと認識して撮影したのは初めてかもしれない。
だって地味だし他の種と見分けにくい…。
平成ライダーだな、これは。
またサシガメ?という感じだが、サシガメ類も種類数が一気に多くなる虫の一つ。
日本にいるよりはるかに良く見かける。
チビアシナガバチ類の巣。
この巣は普通だけど、時々変な巣を作るのがいる。
でも撮影できてない。
象の水飲み場にいたトンボ。アオビタイトンボの仲間だろうか。
象糞にいたマグソコガネ。
結構大きくて、コカブトムシぐらいの大きさ。
更に平たくておかしい。
日本のマグソコガネ像がぶっ壊れてしまうな、これは。
雨期ということもあり、一日中降られることこそなかったものの夕方になると決まって雨が降った。
曇天の道でたくさん集まっていたルリマダラuploea sylvester。
熱帯へ来るとたくさんいるのでつい疎かに扱ってしまいがちだが、綺麗なチョウだ。
同じく曇天のイチジクカミキリ。
タランチュラは日によって気分が違うのか、大きく出てきてくれていることもあった。
私の手のひらよりは、確実に大きい。
こちらは小型個体を刺激したみたところ。
大きく脚を振り上げ、顎のオレンジと足裏の色で威嚇するようだ。
足の裏の光沢の色が上手く出なかった。また再チャレンジせねば。
…と、クモにちょっかいを出していたらカオヤイさんが何か見つけたよう。
見に行ったら、嗚呼これがヒメサスライアリというやつか!
実物は想像以上に小さく、素早く、本当にこれを相手にしている人には頭が下がる。
よくこんなのの中から好蟻性の昆虫を見つけ出せるな~と、感嘆の思いしか出てこない。
前回来たときにも似たような写真を撮った、チャグロサソリ。
雨の後、リクガメが道路に出てきていた。
リクガメが残っているというだけでもいかに良い環境下が伺えるというものだ。
今回の目的は実はオウサマナンバンダイコクコガネだったのだけど、このKaeng Krachanの二日間では見つからなかった。
というわけで、後半のカオヤイへ望みをつなぎつつ、以下次号。
2016年7月16-17日 Kaeng Krachan,Phetchaburi,THAILAND
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2016.08.25 | Comments(2) | Trackback(0) | 遠征記
