キイロサシガメ
先日石川まで赴いた際、帰り際にコンビニに立ち寄った。
そういえば秋口になるとコンビニにキイロサシガメが飛んでくるらしいと聞いていたので半信半疑で探してみると…本当にいた。
キイロサシガメは20年近く前に存在を知って以来一度は見てみたいと探し続けていたサシガメだが、どうも分布が暖地に偏っているようでこれまで全く縁がなかった。とりたてて話題に上るようなサシガメではないから決して珍しくはないのだろうが、エンカウントすらさせてもらえなかったのである。
そんな風にあこがれ続けたサシガメだけにようやく宿願叶うといった風情で感慨深かった。
さて、折角得た一匹だ。何とか飼育でもできんものかと思い、捕食対象をググってみるがこれが不思議と出てこない。
キイロサシガメ自体の画像は沢山出てくるから普通に観察されていそうなものだが、これがないのだ。
数年前に捕食対象がわかったというカメムシ屋さんのツイートがヒットしたのみ。
んー…ということで、飼育容器にコオロギやらヒシバッタやらゴミムシやら、果てはミミズやナメクジまで投入してみたが、捕食の気配はナシ。
仕方ないので最初に可能性としては考慮したものの探すのが大変そうだから後回しにしていた餌、つまりケラを無理やり見つけ出して与えてみることにした。
探すのに手間取ったおかげで一日潰れたが…。
さて、採ってきたケラを早速ケースに入れてみると、すぐに反応して襲いかかったのである。
やれやれ、これで一安心。
サシガメの類は時々酷い偏食家がいて、自分が専食するもの以外はテコでも食べないものがいる。
アカシマサシガメのヤスデ食なんかが最たる例だが、そうした種類は対象のものを与えると敏感に反応する。
今回のキイロサシガメの反応は正にそんな感じだった。
キイロサシガメが擬態しているであろう対象のミイデラゴミムシ、その幼虫の餌はケラの卵だという。また、飼育ケースに湿った土を入れるとトンネルを掘ったという事実と、そのために発達したであろう前脚と細長い体型。普通種だというのに容易に観察されない捕食生態。この辺から考えば妥当な結果だとは思うが、よくもこんな生態になったもんだなぁとちょっと感心した。
属名で検索した時にフロリダの近縁種がケラを捕食している画像が出てきたのである程度は予想していたんだが、まさか本当にそうだとはねぇ…。
2016年10月 石川県産
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