春と冬とを行ったり来たり
3月も終わりに近づき、ようやく晩冬型のフユシャク達が姿を見せ始めた。
灯火に来ていたのはクロテンフユシャクの♂で、ホソウスバはまだ見当たらず。
この辺は毎年見分けがあやふやになってしまい、現場で混乱してしまう。
この後林の中を歩いてみたが、ちょうど撮影できそうな個体には出会えなかった。
フユシャクを探して木々を見回っていると、コナラの幹を歩く黒い甲虫の姿が目に入った。
えー…と、ゴミムシ……じゃなくてダマシ?なんて考えが頭をよぎったが、触角を広げる動作でそれがコガネムシであると知れた。
こんな季節に活動している、体型からするとマグソコガネ…で思い出した。
こいつクチキマグソコガネや。
家に帰ってから調べてみるとかつては生態が分からないド珍品だったらしいが、少し前にウロの中で暮らしていることが分かって採集例が増えた、そんな虫であるとのことだった。
ただ、それでもまだそんなに簡単に採れるものはないようだ。
体型もなんだかマグソコガネの典型から外れているような気がするし、変わり種であることには間違いないだろう。
悲しいかな、地味なのが残念ではある。
足元の地面を見ればまだ伴侶を得ていないだろうコブハサミムシの雄たちがみんな揃って天を仰いでいた。
君らはまだ諦めてないんだね、偉いなぁなぞと謎の感慨に耽る。
季節は確実に春に向かっているという感触を確かめられた夜だった。
で、翌朝はこんな風景に逆戻り。
この時期は春と冬とが行ったりきたり、である。
2017年3月 長野県諏訪郡
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2017.03.26 | Comments(0) | Trackback(0) | 雑記
