ハクバツリアブ
先週の事、とある虫を探していたのだが、どうも時期が終わってしまったらしく姿が見えない。
一時期高温が続いたせいかここで季節が一気に進んでしまったし、仕方がないのかもしれない。
とはいえせっかく来たのだから何か探していこうかと思い周りを散策していると、ビロウドツリアブが飛んでいた。
ああ、さっき見逃していたけれどこんなところにもいるんじゃないかと近づいてみると、なんだか違和感。
あれ?こいつビロウドツリアブじゃない?でもいやまさかねぇ…と止まるのをまって確認する。
翅には特徴的な斑紋。
げ…ハクバだこいつ…。
飛翔中。
ハクバツリアブについては以前も何度か白馬村まで行って探したことがあったが、出会えたのはほんの一瞬だった(こちらの記事)。
そもそもハクバツリアブってどうだったっけと手元に唯一ある資料*1 をめくってみると、これまで日本で確認されている産地は白馬村の二地点と東信の二地点、計四地点のみ。うち最近の記録があるのは白馬村の一か所だけで、もう一か所は1997年に記録があり、東信の記録は1952年と1996年の記録が一例ずつ…。
今回出会ったのは東信某所なので、24年ぶりの東信の記録になるのだろうか…そのうちどこかに投稿しておこう。
前回は一瞬の出会いだったのでじっくりと観察できなかったが、今回は複数個体がいたのでそれなりに観察することができた。
飛んでいるときは首元の白帯と翅付け根の白色紋が良く目立ち、まるで小さなマルハナバチが飛んでいるかのようにも見える。
また、今回見られたのはすべて♂個体だったのだが、もう少し時間を空けて訪れれば♀が見られるのだろうか。
ここで記事を書こうとしてちょっとネットで海外の本種の画像を検索してみたのだが、今回のはパッと見だと胸部側縁の白色条の発達が非常に弱い(つーかほとんど見えない)ように思えるのだが、んー?その辺どうなんだろう?個体差?
それともう一つ、前述の資料だとこれまでの事例の共通項を“長野県で 5月頃 標高1000m以上”として挙げているが、今回見られた地点はせいぜい標高500mちょっとの畑の脇という里山環境である。しかも気候が変だとはいえ、4月。
ひょっとしたらハクバツリアブは案外広く分布しているのかもしれない。
気になった方はぜひお近くでもその姿を探していただきたい。
この記事を読んだあなたは小さいビロウドツリアブが全部ハクバツリアブに見える呪いにかかります (呪いSE
*1 紺野 剛・濵路 久徳・田悟 敏弘,2014,ツリアブ科ノート ハクバツリアブ(和名新称)の記録 はなあぶ 37:51-58
2018年4月 長野県東信地方
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2018.04.09 | Comments(0) | Trackback(0) | ハエ・カ・アブ
