春蘭
雑木林が動き始めた。
今年は天候がなんだかよくわからない動きを見せているが、やはりこの季節のフィールドは爽やかで歩くのがとても楽しい。
気づけば足元にはたくさんのシュンランの花が咲いていた。
かつて憧れ、地元で散々探しながら見つからなかった花だが、車で小一時間も走ればそこら中に咲いている。
んむぅそんなものか…とちょっと納得しがたい思いも無きにしも非ず。
大きく気品があり、非常に美しい花だと思うが実物は誠に目立たない。
以前読んだ本には集めて食すとおいしいと書いてあったが、さてあれの調理法はお浸しだったか。
どちらにせよ、このご時世では大変に贅沢な味になるに違いない。
腹ばいになってシュンランを撮っていると、すぐ脇をミヤマセセリがいくつも通り過ぎていく。
地表すれすれを跳ねるように飛んでいくこの蝶にこそセセリチョウの英名skipperはふさわしかろう。
林床に降り、少々傾きかけた日差しを受けるその姿はあっという間に落ち葉に紛れて消えてしまう。
今年の春はことさらに足が速そうだ。
こういう年の春は、これでもかと圧縮されてしまうのだから。
2018年4月 山梨県北杜市
2018.04.18 | Comments(0) | Trackback(0) | 植物
