モミの樹に潜むもの
ホンドハイイロハナカミキリ EOS20DEF100mmMacroUSM ストロボ
ここのとこ虫以外のネタが続いていましたが、久しぶりに虫ネタを。近場のとある林道の脇にモミの枯れ木があるのを見つけたのは昨年のこと。どうやら風で倒れて道を塞いだらしく、いくつかのブロックに分けられた状態で放置されていた。昨年樹皮をめくったらいくつかカミキリムシの幼虫が顔を出したのを思い出して、今年はとめくってみることにした。
そういえば針葉樹はあまり虫に好まれない傾向があるのだが、何故かこのモミ(ウチのあたりはウラジロモミの方が多いと思う)の類だけは虫たちに大人気だ。特にカミキリムシは非常に多くの種類がモミを拠り所としていて、日本のカミキリを代表する珍品オオトラカミキリもまたこのモミがホストのようだ。いつかはあってみたいな、オオトラ。
話少々脱線気味。
めくり始めてすぐにポロリと出てきたのはハイイロハナカミキリの仲間。一般的に見つかるものとしてはハイイロとホンドハイイロの2種類があるが、この類にあったことがない自分にはどちらなのかよくわからない。触角が淡色であることと、翅端の色が薄い個体が多かったということで一応ホンド…にしてみた。分かる方教えてください…。
ホンドハイイロハナカミキリ EOS20DEF100mmMacroUSM ストロボ
最初の個体はすぐに落ちてしまったのでNG。次に見つけた個体は出てきたとたんに歩き出した。
…が、しばらくして動かなくなる。どうも寒くて動きが鈍いらしい。これ幸いと撮影させてもらう。
しかし一般のカミキリのイメージからは随分とかけ離れた種類だ。色が地味なのはいいとして、触角が短くて頭が小さい。こうして写真に撮っているとなんだかハンミョウのように見えてきた。
ホンドハイイロハナカミキリ EOS20DEF100mmMacroUSM ストロボ
背中からのカット。余計にハンミョウみたいに見える。が、れっきとしたカミキリムシなのだ。
ホンドハイイロハナカミキリ EOS20DEF100mmMacroUSM ストロボ
3匹目でようやくお目当てのシーンに行き当たる。これこれ、ハイイロハナカミキリといえばこれなのだ。彼らは樹皮の直下に丸い蛹室を作り、その中で越冬をする。楕円形の蛹室の中にちょこんと納まったカミキリ君がカワイイ。冬場に見つかる面白い虫ということで写真はよく見ていたのだが、実際にお目にかかる機会は意外なほど少ない。この写真では左上に向かい、幼虫時代に穿孔した食痕も見えている。
ホンドハイイロハナカミキリ EOS20DEF100mmMacroUSM ストロボ
なんかいいですよね、コレ。自分だけの六畳一間、って感じかなぁ。
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2007.03.15 | Comments(3) | Trackback(0) | 甲虫
