綾の錦を纏う者
ツゲ EOS5D EF100mmMacroUSM
本日は有給を取って久々に丸一日フリーな日を作ってみた。この時期にフリーな日が出来たら必ず行ってやろうと数年来思っていた手合いがいる。少々時期は遅いが、今年のチャンスは今日で最後だろう。だったら一か八かで賭けてみた方がいい。
そんなことを考えつつ、今日はニシキキンカメムシを狙って某県某所へ。
ニシキキンカメムシは数ある日本産カメムシの中でも美麗種の誉れ高きカメムシだが、分布が限定されるためにそう容易く会えるカメムシではない。ホストであるツゲの分布が石灰岩・蛇紋岩地帯に限定されるというのがその一因だが、なぜにこう石灰岩・蛇紋岩地帯の生き物というのは特化したがるのだろうか。もちろん地質から直接影響を受ける植物にその傾向は顕著だが、一次消費者が多い昆虫においてもその状況は少なからず見られるようだ。
ニシキキンカメムシ EOS5D EF180mmMacroUSM ストロボ
友人にアドバイスを受けたりしながら探すことしばらく。
ツゲの梢にニシキキンカメの姿を認め、ほっと息をついた。
やれやれ、なんとか目的は達せられたみたいだ。
実はニシキキンカメを探しに来たのはこれが初めてじゃない。一度目はたしか5年くらい前、前述の友人に案内してもらったが、その時は時期が早かったのか見つけられたのは日没後にたった1匹だけ。
二度目は一人で冬に訪れて越冬幼虫を探したが見つからず、見つかったのは成虫の前胸背だけだった。
そして今回が三度目の挑戦。
三度目の正直というわけでもないが、ようやく自然状態でのニシキキンカメを複数確認できた。
写真的に満足とはいかないが、それでも確実な前進と言ってもよさそうな結果ではある。
ニシキキンカメムシ EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ
よく"日本一美しいカメムシ"と称されるだけあって、近縁のアカスジキンカメムシより色に深みがあり豪華な印象。ニシキキンカメムシとは実に相応しい名前だ。
本当に日本一美しいかと言われればどうかな?という部分はあるけれど、そこは人によっても違うだろうし、なにより美しいということに変わりはない。
ニシキキンカメムシ EOS5D EF180mmMacroUSM ストロボ
とりあえず、ツゲの実大好き。
今回はもともと時期が遅いのではないかと予想していたが、実際に現地でその事実を確認できた。
なぜかというと、その理由はこちら。
ニシキキンカメムシ幼虫 EOS5D EF100mmMacroUSM ストロボ
次世代へと命を受け継ぐ、葉影に息をひそめる小さな影。
来年まで元気に生き延びて、また美しい姿を見せてほしいもんです。
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2008.06.18 | Comments(3) | Trackback(0) | カメムシ
