秋のガ 3題
秋夜空 EOS5D EF17-40mmf4LUSM
だいぶ秋も深まりつつある今日この頃。
うまい具合に3連休が入ってくれたので金曜夜、土曜夜と二晩続けて出撃。
目標は秋に出現する大型のガである。
何故かよく分からないが、秋の大型のガというのは非常に渋くて美しく、人を惹きつける魅力がある。
土曜の夜は急に思い立って夜10時半に家を出る。
目的地はムラサキシタバがやってくるという噂のT温泉。
時期的に少々遅いのを気にしながら深夜12時近くになって到着するが、ありゃりゃ…。
思いのほかガが少なく、いつものクスサンとヒメヤママユが数匹見つかるだけ。
だが、温泉街をくまなく見て回ると、一本だけガが集中して飛来している街灯にいきあたった。
おおお…パッと見で十数頭のヤママユ系がひっついている。
ウスタビガ♀ EOS50D EF100mmMacroUSM ストロボ2灯
最初に目に入ってきたのはやはりクスサンとヒメヤママユ。
続いてライトを当てる(逆光で見づらいから)と…お、ウスタビ?
今までの感覚だともう1,2週間経ってからのイメージがあったが、標高も高いということで既に発生しているらしい。しかも来ていた2頭が両方とも♀ってことは…発生後期なのかな?
続いて上を見上げると、高い所に一匹気になるガが。
大きさはクスサンとヒメヤママユの中間。
高くてよく分からないが、なんだか少し黒っぽい。
ひょっとして…ひょっとするかも?
車の中から2.5mのロッドと60㎝径の枠を引っ張り出し背伸びをしたらなんとか届き、うまくネットインできなかったガはふわりと舞い降りてきた。
クロウスタビガ♂ EOS50D EF100mmMacroUSM ストロボ2灯
あー!!ぎゃー!!ひゃー!!
うわ~…ひょっとしちゃったよ…。
ずいぶん久しぶりにクロウスタビガと再会した。
既にだいぶスレているが、とりあえずんなこたー関係ない。
初めての長野県産クロウスタビに出会い、やはり地元にも間違いなくクロウスタビはいるだろうと確信できた。
大きな一歩、かな。
クロウスタビガ♀ EOS50D EF100mmMacroUSM ストロボ2灯
気をよくして帰る途中にもう一頭を見つけた。しかも♀。
セオリー通り、灯火にやってくるのは♂が多いらしく、メス少々得難いらしい。
しかしまぁなんというか、秋のエッセンスをぎゅっと凝縮したような、実にエレガントなガだ。
密かに日本産ヤママユガ科の中では一番好きかも。
翌土曜。
昨夜の外灯の周囲を確認すべく、もう一度同所へ赴く。
紅葉などを撮影しながらたどりつき、周囲をぐるりと見渡してみる。
キハダ EOS5D EF17-40mmf4LUSM
なるほどね…こりゃ来るかもね…。
外灯の脇を流れる流れの上に枝を広げていたのは、クロウスタビガの食樹である大きな二本のキハダだった。
個人的な感触だが、キハダという木は大抵が沢沿いか谷筋に生えている。
おそらく湿気を好むのではないかと思うが、だとすればクロウスタビガが日本海側に多いのもうなずけるのではないだろうか。
冬の豪雪は春になると大量の水となり、更には冬の寒さから虫を守ってくれる大きな要素だ。
一段落したあと、採集したクロウスタビガ♀をぽんぽこ山本さんのもとへ届けるべく原村へ。
ほんとはムラサキシタバ見つけに行ったんですけどね~なんて話をしながらいくつか情報を教えてもらう。
そうそう、行った時ぽんぽこさんは育てたスミナガシの蛹を分けている最中だった。
初めてスミナガシの蛹を見たけれど、とにかく圧巻!!
あそこまでうまく擬態していれば、そうそう見つかることもなさそうだ。
帰り際、先週見つけておいた外灯ポイントを回りながら帰ることにして、お暇する。
それにしてもこの夜は冷えた。
あまりにも寒い上、月も綺麗に出てしまっているので虫は明らかに少ない。
しかたがないので帰ろうとしたその時、視界の隅にデカいガが見えたような気がした。
ムラサキシタバ EOS50D EF100mmMacroUSM ストロボ2灯
ようやく会えたムラサキシタバ。
見事な隠蔽色で、危うく見逃すところだった。
ムラサキシタバ EOS50D EF100mmMacroUSM ストロボ
ひたすら暴れたので思うような写真は撮れなかったが、とにかく出会えた。
今年はもう無理かと思っていただけに、嬉しさもひとしお。
二日連続しての実りある夜。
満足しながら帰宅の途についたのだった。
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