妖の鼈甲色
紅葉 EOS5D EF17-40mmf4LUSM
先週初めから昨日まで仕事だったので、さすがに今日は有給をとって休みにした。
朝起きて細々としたことを片付け、早速外へ出てみれば空は快晴。
天気予報では今朝は冷え込まないはずだったが、どうやら2度以下にまでなったようだった。
冬はもうすぐそこまで来ているみたいだなぁ。
シータテハ EOS50D EF100mmMacroUSM ストロボ
いつもの雑木林ではまだコナラが樹液を出しており、キイロ、コガタ、オオといったスズメバチ達が点々とついている。
珍しくシータテハもやってきておりひとしきり吸汁していった。
成虫で冬を越す彼らも最後まで準備に余念がないようだ。
ベッコウバエ EOS50D EF100mmMacroUSM
林を歩いていると、時々ベッコウバエの黄色い影が飛び出してくる。
基本的には冬以外にも結構いるようだが、今の時期になると他の虫が少ない分よく目につく。
少し大き目の体と妙に毛深いその姿。
腐ったようなキノコやティッシュが添えられた糞(笑)にいるイメージもあって、昔は嫌悪感の方が先に立っていたが、ここ数年はそんなマイナスイメージも薄れつつあった。
いい機会だとしばらく彼らの様子を窺う。
ベッコウバエ EOS50D EF100mmMacroUSM ストロボ
最初のうちはこちらの気配を察して逃げ回っていたが、そのうち気にしなくなったのか樹液をなめ始めた。
鮮やかな鼈甲色をした翅には特徴的な紋が入り、うん、なかなか悪くないじゃない。
よくいる割にはその習性をよく知らないなぁと思っていたが、日本産幼虫図鑑によればベッコウバエの発生源はよく分かっていないらしい。
こういる場合はえてして極めて特殊な環境にいるか、あるいは極めて普遍的な場所にいるかだが、恐らくは後者と見ていいんじゃなかろうか。
でなければこんなによく見るわけがない。
ん~、でもほんとのところは研究者がいない、なんてのが真実か?
いずれにせよ、身近な所にだって不思議はあるわけだし、ヒトの知ること、わかっている(つもり)のことなんてのは極々一部なわけであって、そういうものの欠片を見るのが楽しいから自分はこんなことを続けているのだろうなぁ…。
晩秋の森の中で、ベッコウバエを眺めながらそんなことを考えている時間。
結構贅沢なひと時であったと思う。
2008.11.06 | Comments(6) | Trackback(0) | ハエ・カ・アブ
