彼の国・越南 その2:茶畑のキララシジミ
エリキノイデスキララシジミ EOS50D Sigma15mmfisheye
フィールド2日目~6日目まではほぼ同じ場所に通っていたので、時系列ではない形でお届けします。
今回割とメインを占めていたのがキララシジミの撮影。
毎日撮影したけれど、朝の短い時間に活動が限られているので一日に撮影できる時間はそれほど長くない。
活動時間といいパターンといい、日本ならゼフィルスを相手にしているような感覚。
活動にはある程度の照度が必要なようで、晴れているときは活動が早く始まり、曇っていればスタートは遅くなるようだった。
ちなみにここには青いキララシジミPoritia erycinoidesと緑のキララシジミPoritia hewitsoniの2種がいるとのことだった。
エリキノイデスキララシジミ EOS50D EF100mmMacroUSM
たくさん見かけた"青い方"ことPoritia erycinoidesの♂。
朝の8時~10時頃にかけて、林縁の茶畑に降りてきてテリトリーを張る。
近くに他の♂が来ると追いかけて絡むのはゼフィルス同様だった。
エリキノイデスキララシジミ EOS50D EF100mmMacroUSM
見る角度によって色が変わる。
個人的には前から見た時の深い青紫が好き。
エリキノイデスキララシジミ EOS50D EF100mmMacroUSM
かなりボロだけれど、翅表の黒斑が発達した個体。
この斑紋についてはかなりの個体差があるようだが、亜種間の問題とかあるらしいので(この場所では従来亜種として区別されていたものが同所的に得られているらしい)あまり深く触れないことにしようかと思う。
エリキノイデスキララシジミ EOS50D EF100mmMacroUSM
いずれにせよ、朝日にキラキラと煌めくその姿は綺麗なものだ。
キララシジミとはよくぞ言ったものだと思う。
エリキノイデスキララシジミ EOS50D EF100mmMacroUSM
♀は翅表に橙色紋が入り、個体によっては青いスポットも入る。
ますますもってゼフィルスっぽい(と、チョウのことはよく知らない自分は思う)。
エリキノイデスキララシジミ EOS50D EF100mmMacroUSM ストロボ
運よく…というよりCelastrinaさんの鋭い観察眼のおかげで交尾シーンにもめぐり合うことができた。
オスがテリトリーを張っているところにメスが舞い降りてくると、あっという間に交尾が成立してしまう。
このときは複数のメスが舞い降り、目の前で交尾ペアが次々と出来ていって圧巻だった。
アリの巣 EOS50D EF100mmMacroUSM
だが、♀が舞い降りたのは非常に狭い範囲。
キララシジミの幼虫期は未だに不明だそうで、Celastrinaさんによればアリとの関係も噂されているとのこと(あくまで可能性ではあるが)。
♀が舞い降りた地点のすぐ上に枝を広げていた木は虫瘤だらけの木で、ここがアリの巣となっている。
これならそんな噂も出てくるのも無理はないかもしれない。
生息地 EOS50D EF17-40mmf4LUSM
もう一種のヒューイットソンキララシジミに挑戦したのは同地を離れる前日のこと。
エリキノイデスは案外どこでも見られるようだが、ヒューイットソンの方は場所が限られるとの話だったので、以前たくさん見られたという別地点に入り込む。
ポイント的にはやはり林縁の茶畑ということで、いったいどこが違うのか素人目にはよく分からないし、エリキノイデスも見られたのでこれは!という条件は出しづらい。
ホストの有無が関係しているのだろうか。
ヒューイットソンキララシジミ EOS50D EF100mmMacroUSM
しばらく待っていても全然活動が始まらないので付近を探索。で、見つけたのがこちら。
見慣れた?エリキノイデスに比べて随分と地色が暗い。
ヒューイットソンキララシジミ EOS50D EF100mmMacroUSM
さほど時間を経ることなく開いた翅の表は輝くような緑色。
やっぱりヒューイットソンはいたらしい。
なんとも言えないその色と期待した通りの成果に二人して喜んだが、残念ながらその後は♂の追加なし。
ヒューイットソンキララシジミ EOS50D EF100mmMacroUSM
そのかわり、活動時間も終わったであろう頃に一個体だけ下に降りてきた♀を見つけることが出来た。
こちらはというと独特な雰囲気が漂う不思議な模様が印象的。
最後にいい思いをすることができて幸運だったと思う。
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2009.01.12 | Comments(7) | Trackback(0) | 遠征記
