Vietnam again!(その2)
茶畑の中の民家 EOS50D EF17-40mmf4LUSM
12/25からは拠点となるBao locの近郊にあるDamburiに入る。
初日、まずは昨年ヒューイットソンキララシジミを見ることが出来たポイントへ。
ここのキララシジミ2種は朝のわずかな時間だけ茶畑と森の境目に出てくる。
ヒューイットソンキララシジミ EOS50D EF300mmf4LISUSM
8時過ぎからしばらくはヒューイットソンキララシジミの時間帯。
昨年は2♂1♀しか見られなかったヒューイットソン♂が5匹くらい出て来て、茶畑のチャノキや灌木で日光浴。
体が温まってくると占有行動をとるようになる。
私は昨年一応撮っているので、望遠を使って少し遠巻きに撮影する。
朝日に輝きながら絡み合う姿はまさにゼフィルスと同じだと言っていのではないだろうか。
キララシジミとはかくもよくつけた名だなと思いながら眺める。
前回は曇天の中、わずかな時間見ただけだったので緑の印象が非常に強かったけれど、強い直射光の中で見るヒューイットソンは青緑から輝くような緑にまで角度によって随分と色が違って見えた。
前回には気付かなかった点であって、なんだか一つ発見をした気分だった。
ヒューイットソンキララシジミ EOS50D EF300mmf4LISUSM
うん、やっぱキララは綺麗です。
エリキノイデスキララシジミ EOS50D EF100mmMacroLISUSM
木漏れ日を受けるエリキノイデスキララシジミ。
エリキノイデスキララシジミ EOS50D EF100mmMacroLISUSM
昨年より少し遅い時間帯、9時頃になってから、今度は入れ替わってエリキノイデスが飛ぶようになった。
ただし昨年より個体数は少なく、林縁にときどきポツリポツリといるだけなのでちょっとさびしい。
(この個体は当初ヒューイットソンとしていましたが、斑紋からエリキノイデスの可能性が高いということで訂正します)
エリキノイデスキララシジミ EOS50D EF100mmMacroLISUSM ストロボ
上の個体は比較的標準的なものだが、エリキノイデスはかなり個体差が激しい。
ボロボロだが、かなり黒味の強い個体。
アオタテハモドキ EOS50D EF100mmMacroLISUSM
畑の開けた場所で日光浴をしていたアオタテハモドキ。
日本で見たら無茶になって追いかけるのだろうけれど、ここでは普通種なのでそこまで追っかけない。
でもそういうの、あんまりよろしくないね。
Athyma perius EOS50D EF300mmf4LISUSM
この類は種類も個体数も多く、すぐに食傷気味になってしまうのがちと残念。
もう少しもったいぶって出て来てくれればよいものを…。
コーヒー畑 EOS50D EF17-40mmf4LUSM
キララタイムが終わりに近づくと、三々五々に散って付近を探索。
自分は昨年S.lohitaを見かけた場所の近くまで行ってみるが、だいぶ環境が変わってしまっていた。
すぐ脇の斜面には新たにコーヒー畑が出来上がっていて、ラテライトの赤い色目に痛い。
Loxura atymnas EOS50D EF300mmf4LISUSM
仕方がないので近くの草むらを眺めているとオレンジの影が飛び出してきた。
オナガアカシジミの一種Loxura atymnas。
昨年も撮っているけれど似たようなシジミがもう一種類いるので、こっちは通称尖がったヤツと呼ばれる。
こいつ普通は森の近くで見るのにな…?
Loxura atymnas EOS50D EF100mmMacroLISUSM ストロボ
しばらく飛んでから、草の芽から何か吸汁している。
が、拡大しても何を吸っているんだかよくわからない。
アブラムシの甘露でも残っていたのだろうか?
アカギカメムシ EOS50D EF300mmf4LISUSM ストロボ
こういう荒れ地には大抵アカメガシワによく似た木が生えている。
実がなっている木を見つけたのでカメムシがいないかと探してみたら、ほんとにアカギカメムシがいた。
日本でも何度か見たことはあるが、いつもタイミングが悪かったり変な所についてたりで縁のないカメムシでもある。
アカギカメムシ EOS50D EF100mmmMacroLISUSM ストロボ
木を揺さぶったら落ちてきた。
肩のトゲが発達しててカッコイイ。
この肩のトゲの発達には日長が関係しているらしくて、実質北限となる南西諸島の個体群でないものが多いという。
その一方で、マレーシアなど赤道直下の地域では出現率はほぼ100%となるそうな。
…とこのへんで昼近くなったので移動。
昨年S.lohitaを多数確認したポイントへ行ってみるが、以前にもまして赤土に覆われてしまっていてわずかに2頭ほど確認したのみ。
手短に切り上げ、Damburiのメインの林道へ。
Danburiの林道 EOS50D EF17-40mmf4LUSM
Damburiの林道はこんな感じ。
ここのポイントは今回当たってたような気がする。
カレハバッタ? EOS50D EF100mmMacroLISUSM ストロボ2灯
みんなはサクサク先へ進んで行ってしまったので、自分は一人で雑虫を拾いながら歩く。
昨年見ていない枯れ葉みたいなバッタ。
後ろ足まで使って擬態しているところがニクい。
ツノゼミの一種 EOS50D EF100mmMacroLISUSM ストロボ
昨年も見られたツノゼミは今年も見られた…というより今年は多かった。
昨年のような大きなコロニーこそ見当たらなかったものの、写真のような中規模なコロニーが至る所に目に入り、総数では昨年より多いと思う。
また、昨年は幼虫が多かったが今年は成虫が多い。
Tac Maiでも感じたことだが、今年は昨年とやや時期がズレているみたいだった。
時期が進んでいるのか遅れているのかは分からないが、多分その辺も上手く作用したのだと思う。
ツノゼミの一種 EOS50D EF100mmMacroLISUSM ストロボ2灯
やや色の薄れた個体がいたので観察してみたら、どうやら卵を守っているらしい。
そう言えば先日某国営放送局でツノゼミやってたなぁ…なんて思い出した。
ゆっくり歩いてようやく他のメンバーのところまで辿りつく。
既に海野さんは今回一番の目的だったという人面蛹を見つけ出していた。
ここは昨年シャマキマダラルリツバメが見られた場所だったので、出てくるかな~と様子を伺うが、出てこない…。
とりあえず件の人面蛹だけでも撮影しておこうかとついている木を探していると、なんか見覚えのある影が…。
シャマキマダラルリツバメ EOS50D EF100mmMacroLISUSM ストロボ トリミング
あ、Spindasisの♀…。
腹が赤くないからsyama…かな?と思って他のメンバーに声をかけた。
ちなみに腹が云々…というのはこの地域でしか使えない判別方法なので念のため。
普通は後翅裏面基部の斑紋で見分けるのが正しい…と思う。
シャマキマダラルリツバメ EOS50D EF100mmMacroLISUSM ストロボ
思った通りS.syamaの♀だった。
斑紋のふちどりが強く赤みを帯びているのが印象に残る。
……ただし、自分はまだ日本のキマルリは見たことがない。
人面蛹 EOS50D EF100mmMacroLISUSM ストロボ2灯
最後に人面蛹(シロモンクロシジミSpalgis epius)だけはと撮ってみた。
さて、これで人面に見えるだろうか?
感想は個人にお任せするが、この写真を見た姉には「犬の顔みたい」と言われた。
人面蛹ならぬ犬面蛹…。
一見インパクトがあるようでも、こういうものを"それっぽく"撮るにはコツがいるのかも。
この日の目ぼしいものはこんなところ。
帰る頃にはにわかに雲が厚くなり、Bao locへの帰り道は雨となった。
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2010.01.08 | Comments(4) | Trackback(0) | 遠征記
