奄美遠征記その2:奄美のアルカイック・スマイル
空を染める茜の色。やがて景色がモノトーンに変わると頃合だ。
もう一つの(むしろ本当の)奄美の楽しみ方、林道徘徊の開始である。
コンビニで食料を調達し、昨年インプリンティングされた"生きとし生けるものへ"をBGMにしてゆっくりと林道を進む。夕方に降った雨が暖まった路上で蒸発し、少しガスがかかっている。
いいんじゃないの?これ。
初日の目標はとりあえずなんでもいいから奄美らしいものを見ることだ。
昨年は両爬をほとんど見ることができなかったが、今年は両爬担当のくぼ氏もいる。あとはあの黒い獣を見れればさらに上等だろう。
林道を進み始めるとすぐにカエルを見つけた。茶色でアカガエル体型だが結構大きく、大体トノサマガエルぐらいだろうか。道の脇に逃げ込んだところを撮影する。
アマミハナサキガエル
EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
くぼ氏によるとアマミハナサキガエルだとのこと。私にとっては初ハナサキ類だ。奄美諸島特産だったかな?体の割に大きい目がかわいいね。
続いて車を進めていくとアマミハナサキがたくさん出てきている。去年は雨が降らなかったのでこんなには出てきていなかったなぁ…なんて考えながら車を進めると、今度はやたらでかいカエルが目に留まった。あれはハナサキじゃないぞ…。くぼ氏に車を降りて確認してもらうと…
「…ットンだよ!」
え?
あああ…
い…いきなり出たぁぁぁっ!!
オットンガエル
EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
なんといきなりオットンガエルが出ていた。
知名度は高くないと思うが、知る人ぞ知る奄美諸島特産の銘ガエル。確か鹿児島県の天然記念物だっけな?昨年見たいと思っていたのに見られなかった生き物だったのでかなりうれしい。まさか初日から会えるとは…。
オットンガエル
EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
正面から見ると微笑しているように見える。まさしく"奄美のアルカイック・スマイル"だ。
オットンガエルを撮影するくぼ氏。
既にハブの存在なんか忘れているようだ。
オットンガエルが見られたことで一気に気分が楽になった。
路上で見かけた生き物を適当に撮影していく。
オオサワガニ?
EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
写真にすると普通のサワガニだがやたらとでかい。ベンケイガニクラスの大きさだ。これがオオサワガニというやつだろうか?
アマミヤマシギ
EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
夜の林道でたびたび目にするのがこのアマミヤマシギ。大抵はこんな風に所在無げに佇んでいる。印象はとにかくトロい、この一言に尽きる。しかしいつ見ても常にキョドっている鳥だ。
アマミサソリモドキ
EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
こちらもよく見かける生き物、アマミサソリモドキ。私がもっとも強く奄美を感じる生き物のひとつでもある。夜になると路上や木の上をゴソゴソと這い回っているが、オオゲジほどの恐怖は感じないのが救いか。アップの写真はまたのお楽しみで。
アマミヒラタクワガタ
EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
道路脇の木で樹液を吸っていたアマミヒラタクワガタの♂。この写真では分かりづらいが、前翅に強いスジが入るのが奄美のヒラタクワガタの特徴。来ていた木はサルスベリのような平滑な樹皮の木だったが、種名はなんと言うのだろう。そういえば奄美では樹液を出している木が少なく、本土のように簡単にはみつからない。だから夜間樹液に来ているクワガタをいきなり見つけるのはけっこう大変だ。
道路脇でサソリモドキを追いかけていると小用をたしに行っていたくぼ氏が
(゚∀゚)ウンコー!!
と言いながら歩いてきた。
なに?大もしてきたんか?と思ったのだが、「あっちにクロウサのウンコがある」とのこと。紛らわしいことこの上ない。
ふむ、たしかにクロウサのようだ。しかもかなり新しい。よく見ると道路わきには結構な数の糞が見て取れるので期待できそうだったが、この後クロウサは現われず、初日ということもあって少し早めに切り上げることにした。名瀬市内へと行き、日付が変わった後に宿へチェックインをする。
これにて初日は終了。次の日の予定を少し話してから寝た。
次回へ続きま~す
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2006.08.20 | Comments(4) | Trackback(0) | 遠征記
