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奄美遠征記その5:森へ…



遠征3日目。午前9時過ぎに起床。モソモソと身支度を整える。
前日宿に戻ったのが午前2時過ぎ。その後砂だらけになった撮影機材を手入れして、寝たのは午前4時過ぎだった。
宿の朝食は既に時間が終わっていて食べられない。頭が覚醒しないまま宿を出る。
一路南へ。前日まででくぼ氏のリクエストにあったものはそこそこカバーできたが、まだ肝心の虫を見ていない。
途中でマングローブ地帯を冷やかしたりしながら、まずはバナナトラップを仕掛けた場所へ向かう。


奄美の森
奄美の森 EOS20D Sigma17-70mmZoom PLフィルター
ブロッコリーのような森がいかにも亜熱帯だ。新緑の季節にまた来たい。

今回用意したバナナトラップは6コだけ。数が少ない上に、仕掛けた中でまともに虫が付いていたのは一つだけだった。まだこの辺の要領は掴めていないなぁ。
トラップに群がる
トラップに群がる EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
バナナトラップに来たリュウキュウツヤハナムグリ。これでも「少ないなぁ…」と感じるほど個体密度は高い。

リュウキュウツヤハナムグリ
リュウキュウツヤハナムグリ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
リュウキュウツヤ近影。スローシャッターだったのでブレているが、美しさは伝わると思う。グリーンの基調の中に入るワインレッドにオシャレ魂を感じる。このワインレッドは構造色なので、見る角度によって出る場所が変わるのだ。
オオシマアオハナムグリ♂
オオシマアオハナムグリ♂ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
こちらはオオシマアオハナムグリの♂。雌雄で全く質感が異なるが写真は撮り忘れた。大きさは本州のアオハナムグリと同等か少し大きい位かな。エレガントな模様が素晴らしい。
リュウキュウオオハナムグリ
リュウキュウオオハナムグリ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
こちらは頭から潜り込んでいたリュウキュウオオハナムグリ。リュウキュウツヤと比べると圧倒的に個体数が少ないが、まったく見れないというわけでもなく、コンスタントにポツポツと見られる。渋いハナムグリだ。

ハナムグリに紛れて一匹のゴキブリが居座っていた(群がってる写真の下側)。真昼間からゴキブリとな?突っついて見やすい場所に誘導するが、あの素早さはなくトロトロと歩いている。
ぱっと見はクロに似た印象。でも全体的に丸みが強く、色も深い…。
ウルシゴキブリ
ウルシゴキブリ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
これはウルシゴキブリぢゃないか!つっつかれても動きがトロいあたり、なんとも野ゴキらしくてカワイイ。こりゃお気に入りゴキに追加だな。

スミナガシ奄美亜種
スミナガシ奄美亜種 EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
他の人のトラップに来ていたスミナガシ。どーせクワガタ目的だろうからチョウの写真を撮るぐらいイイよね…。
そーいや今回の旅ではアカボシゴマダラは見られなかった。前回はそこそこ見られたんだけど…。ま、こればっかりは運よね。
バーバートカゲ
バーバートカゲ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
トラップを見まわるときに足元をチョロチョロするのがバーバートカゲ。琉球列島中央部固有のトカゲで、山地の森林地帯にのみ生息するらしい。本土のトカゲと違い、成体になっても尾の青が残る美しいトカゲ。

場所をちょっと変えて、ボチボチと林の遊歩道を歩いてみる。
アマミナナフシ
アマミナナフシ EOS20D Sigma15mmfisheye ストロボ
森の中では立木にアマミナナフシが付いていた。♀は恐ろしく長くなり、足を合わせると200mm以上に達する個体もいるみたいだ。
アマミハンミョウ
アマミハンミョウ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
林道でよく見かけるアマミハンミョウ。本土のハンミョウの亜種とされるが、全然印象が違う。徳之島のものもアマミハンミョウと言われるけれども、青みが強く、これもまた全く別物に見えるそうだ。本土のハンミョウと違って少し湿っぽいところが好きらしく、舗装路ではあまり見ない。
アマミハンミョウ幼虫巣
アマミハンミョウ幼虫巣 EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
こちらがアマミハンミョウの幼虫が掘った穴。こんな風にコケが生えるような湿っぽい斜面に多く見られた。
ニイニイゼミ
ニイニイゼミの一種 EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
ニイニイゼミの一種。奄美にはニイニイとクロイワニイニイの二種のニイニイゼミがいるようだが、正直どっちか分からない。どちらにせよ、本土ではあまり見ない色合いの個体だ。こんな色になったのは主要樹種のシイの樹皮が白いからだろうか…。
リュウキュウアブラゼミ
リュウキュウアブラゼミ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
こちらはリュウキュウアブラゼミ。本土より見つかりにくく感じるのはまだコツが掴めていないせい?
キノボリトカゲ
キノボリトカゲ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
キノボリトカゲ。見つけようとしてもあまり見つからないが、他のものを探しているとよく見つかる。頭を下にしたお得意のポーズは、彼らのスマートな形をより強調してくれるのだ。
キノボリトカゲ
キノボリトカゲ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
キノボリトカゲ近影。この写真を見たくぼ氏は「鱗の形がイグアナに似てるね」と言っていた。いくら私でもイグアナの鱗の形まではわからないが、いわゆる"トカゲ"とは違うってことぐらいならわかるぞ。
アオカナヘビ
アオカナヘビ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
葉っぱの上にいたアオカナヘビの幼体。沖縄本島ではどこにでもいた感のあるアオカナヘビだが、奄美で見たのは初めてかもしれない。島ごとに密度が変わるのかしらん?

ミドリナカボソタマムシがいないかな~っとアカメガシワの葉をチョロチョロと見ているとカメノコハムシを発見した。
カメノコハムシの一種
チャイロヒラタカメノコハムシ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
ぬうっ、なにやら妖しげかつ攻撃的なデザイン…。こんなに立体的なカメノコハムシは初めてだぞ。
帰宅後、このカメノコハムシが"チャイロヒラタカメノコハムシ"というやたら長い名前のハムシであることが判明。しかも奄美固有種の可能性もありそうだ。有名なもの以外になるとてんでダメちゃんだな俺…。

ボチボチ場所を移動…。

昨年原生林の写真を撮り忘れていたため、その穴埋めに走る。
原生林内部
原生林内部 EOS20D Sigma15mmfisheye
といわけで、シイ原生林内部。樹幹に光を遮られるためか、下草は少なめ。ただし、下がガラガラの岩だらけでとにかく歩きづらい。おまけにハブ様に出会ったら洒落にならんので、なかなか森に入っていく木にはなれない。また、方向感覚を失うので不用意に入れば迷うこと間違いなしだ。奄美の森はとことん深い。
シイの巨木
シイの巨木 EOS20D Sigma15mmfisheye
どういうわけか、林道の周辺では大きな木をあまり見かけない。最初はもう残っていないのかと思っていたが、一歩森に踏み込めばあるのだ。物凄い大木が。こういう森だからこそ、多くの生物を育み、そして生き残らせることができたのだろう。いずれはこの森を歩けるようになりたいな。

この後はどうにも落ち着かず、ひたすらウロウロしてしまって特に収穫はなし。一番避けたかった事態に陥ってしまった。

強制一車線
強制一車線 EOS20D Sigma15mmfisheye
唯一の収穫?強制一車線。噂にたがわぬ強制っぷり。

シリケンイモリ
シリケンイモリ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
夕暮れ間近になって、ようやくシリケンイモリを発見。道路沿いの貯水枡にウジャウジャと入っていた。

なんだかよくわからないうちに一日が過ぎていった。コンビニで夕食を買い込み、夜の部へ。

中だるみな感じのまま、次回へ続く。

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2006.08.29 | Comments(4) | Trackback(0) | 遠征記

コメント

キノボリトカゲか

懐かしいなあ。ヤンバルであっけなく見つけたけど、減ってしまったんだろうな。

みのりさんのところにシチリア産のアゲハがいるので、見てあげて。

2006-08-31 木 19:53:59 | URL | スタジオA #87fPZhO2 [ 編集]

>>スタジオAさん
了解です。>アゲハの件
キノボリトカゲは多いですよ。探さずとも、見つかるときにはあっけなく見つかります。

2006-08-31 木 20:02:05 | URL | spatica #- [ 編集]

そうそう、

今朝、庭に来たのよ。ナガサキアゲハ♀。写真は撮れなかったけどしばらくとどまっていた。白い模様も尾状突起がないのもハッキリ確認できたよ。神奈川で繁殖してるのね。

2006-08-31 木 23:12:21 | URL | スタジオA #87fPZhO2 [ 編集]

神奈川でのナガサキの繁殖は先日NHKでやってましたよ。何年か前から後輩が何度も採ってきていたので「やっぱりな」的なところはあります。
こちら、諏訪でも少し異常がありました。昨年に引き続き、2年連続でクマゼミの鳴き声を聞いたんです。姿は確認していませんし、定着しているとも思えないのですが、こうした小さなサインはいたるところにあるのかも知れませんね。

2006-09-01 金 21:26:40 | URL | spatica #- [ 編集]

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