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奄美遠征記その9:最終日・さらば、奄美よ

amami9.jpg
奄美遠征5日目。本日をもって奄美遠征は終わりだ。
最終日は後片付けの日。これまでどおり午前9時過ぎ起床。10時ギリギリにチェックアウトを済ませ、車の中に産卵…じゃなくて散乱した荷物をまとめ、いつでも送れる状態にしておく。コレをやっておかないとイザというときに困るからね。車の中が片付いたところで島の南部へと車を走らせた。


ヒカゲヘゴ
ヒカゲヘゴ EOS20D Sigma17-70mmZoom
途中で取り残していた風景。
南西諸島といえばやっぱりヒカゲヘゴは大事でしょう。
昨年の時点からこのあたりはチェックしておいたのだが、ついつい後回しにしていたので撮影する。
見た感じではすごくいいところだったのだが、撮影をしてみるとどうもしっくりとこない。
むしろ撮影した橋の名前(イジュ橋)の方が印象に残った。
渓流
渓流 EOS20D Sigma17-70mmZoom
イジュ橋の下を流れる川。きっとこの川にもリュウキュウアユが棲息しているのだろう。

途中の集落で寄り道。なにが目的かって、ゴーヤである。栽培植物だから必然的に集落に寄る必要があるのだ。適当な畑のわき道に入ると目の前に青いチョウが飛んでいる。
アオタテハモドキ(通称アオタモ)!!
アオタテハモドキ♂
アオタテハモドキ♂ EOS20D EF100mmMacroUSM
ボロではあるが憧れのチョウだ。慎重に近づこうとするがなかなか近づかせてくれない。更に興奮していてカメラの設定を間違えた。どれぐらい興奮してたかは写真を見て判断してください。
アオタテハモドキ・産卵
アオタテハモドキ♀ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
落ち着いて見てみると周りには複数のアオタモがいるようだ。♂は一頭だけであとは♀。チョビチョビと生えた雑草に産卵をしている。あとで調べてみたら食草はキツネノマゴだそーである。
とまっているときにはなかなか翅を開いてくれないので、飛んでいるときにだけ翅表が見えるわけだが、その中に"青い♀"といわれている、通常の色とは違う個体が混ざっているのに気がついた。が、♀は産卵に必死でいくら待っても翅を開いてくれる様子はない。おまけに今日は最終日で時間がないのだ。
しかたないので"下手な鉄砲作戦"に出ることにした。
アオタテハモドキ♀
アオタテハモドキ♀ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
結果。なんとなく分かります?
アオタテハモドキ求愛
アオタテハモドキ求愛 EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
求愛シーンまで見せてくれたのに結果はピンボケ(泣)。翅表の青がキレイに出ただけに、余計悔しい。
ナガサキアゲハ♀
ナガサキアゲハ♀ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
汗だくになったので日陰で休憩。やっぱり虫にも暑いのか、ナガサキアゲハ♀がやってきた。ナガサキの♀は南の地方に行くほど白くなっていく。

そういえばまだ本命のゴーヤにつく虫を見ていない。先に撮影に入っているくぼ氏と共にゴーヤの棚を覗き込んだ。
アシビロヘリカメムシ
アシビロヘリカメムシ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
これがゴーヤにつく虫、アシビロヘリカメムシ。普通種だが非常にカッコイイカメムシである。裏側のオレンジが妙に毒々しいのは警告色なんだろうか。
アシビロヘリカメムシ・後脚
アシビロヘリカメムシ後脚 EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
アシビロの名の由来となった後脚。幅広く変形して軍配のようになっている。ヘリカメムシではこのように後脚が変形したものが多く知られていて、種類によっては♀をめぐっての闘争にこの後脚が使われるという。アシビロヘリカメムシがそういった生態を持っているかはわからないが、もしそうなら一度は見てみたいと思う。
アシビロヘリカメムシ
アシビロヘリカメムシ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
一応背中からのショットも。こちらから見るとイマイチ地味だ。

ここで昼になったような記憶がある。
流石に時間がなくなってきたので、一気にトラップを仕掛けてあるところまで急いだ。
仕掛けてあったトラップを回収し、今度はクワガタたちの記念撮影。一応おさえておかないとね。
アマミミヤマクワガタ
アマミミヤマクワガタ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
一匹だけ採集したアマミミヤマ。本土のミヤマと比べると赤みが強く、大アゴが直線的。体長は小さいがシャープな感じのするクワガタだ。この個体はちょこまかと動いてくれたので撮影に一苦労した。
アマミシカクワガタ
アマミシカクワガタ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
前日の夜に後輩A氏から貰った(この辺の顛末は書き忘れていたので後で追加予定。すまぬ。>>後輩A)アマミシカクワガタのチビ♂、通称"小鹿のバンビ"。日本でただ一種のシカクワガタで奄美諸島特産。大型個体にならないとシカらしさは出てこないが、小さなものも結構特徴的で、私としては奄美で一番好きになる予定のクワガタ。注目点は前胸背板側縁のギザギザです。
アマミノコギリクワガタ
アマミノコギリクワガタ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ ちょいトリミング
アマミノコギリクワガタの大歯形♂。他の亜種と区別するためにアマミノコギリといわれることが多いが、リュウキュウノコギリクワガタの気亜種と言ったほうが正しいかもしれない。この個体はちょっと小さめなのでアマノコらしい丸みを帯びた大アゴにはなっていない。また、光沢のある黒い体色も特徴。
スジブトヒラタクワガタ
スジブトヒラタクワガタ EOS20D EF100mmMacroUSM ストロボ
トリを飾るはわれらがスジブトヒラタ。個体数が多いが大きいものは滅多に採れないらしい。でも、小さめの個体でも十分にカッコよくなるので問題なし。ハードな雰囲気がたまらない、魅力溢れるクワガタであります。

クワガタたちの撮影が長引いてしまい、時間がギリギリになってしまった。三脚やアミといったものは全て送ってしまうので急いで梱包。バタバタと車に乗って空港を目指す。何しろでかい島の南と北なもんで、時間には十分余裕を持っておかないとかなり不安。コンビニで荷物を送りミッション完了。
途中、時間ができたのを見計らい、くぼ氏のリクエストがあった原ハブ屋奄美へ寄る。
原ハブ屋前
原ハブ屋前の海岸。海岸は撮ったのに店舗の撮影は忘れた。
ココ、空港から近いし、お土産としては絶好のものを置いてあるのでオススメです。今回は見ませんでしたが名物の「ハブと愛まショー」はかなり凄いらしいです。現地在住の方でさえ「一生忘れない思い出になる」と語っていたので気になる人は是非どうぞ。

レンタカーを無事返却し、空港へ…。
奄美空港
うーん…帰りたくないぞ…。

ヒコーキ
首尾よく飛行機も到着したようです…。
よろしくお願いします…。

あ…
あああ…
離陸直前
さようなら奄美…
さようなら僕の夢…

何度乗っても慣れない加速時のG、一瞬の眩暈。
夕暮れ迫る中、飛行機は一路、羽田へ。

奄美の影はもう見えない。
徐々に暗くなる窓の外をぼんやりと眺めながら、あっという間に過ぎていった5日間を思い出そうとする。
よく思い出せないけど、なんだかいろんなことがあったな…。

「本機はただいま…」
お馴染みの機内放送が始まる頃には、すで外は真っ暗になっていた。


なんとなくあとがきっぽいもの

というわけで、今回の遠征記はこれで終了です。
なんかようやく肩の荷が降りたって感じがしますね。
最初にアップし始めた頃にはこんなにボリュームが出るとは思っていませんでした。
最初の回で勢いがつき過ぎてしまったので後から結構苦労をしてしまったわけですが、これはこれでよかったのかな、と今では思っています。
今回の遠征記はいつものコラム形式ではなくて、時系列に沿った読み物風の内容にしてみました。
自分としてもいわゆる「採集記」のようなものは書いてみたいと思っていたので、これで一つ引き出しが増えて、問題が沢山残った気がします。
問題といえば一番苦労したのが文章力の欠如。これは痛かったですね。
「俺のボキャブラリーはこんなものかぁッ!!」と自分にキレそうになったこともありましたが、なんとか形になってほっとしています。

今回の遠征でお世話になった方々
情報を下さったNさん、Sさん。
奄美にはめてくれた後輩A、とその相方。
イシカワガエルの情報を下さった男性。
我侭なアホに付き合ってくれたくぼ氏。
末筆になりましたが、この場を借りて深く感謝申し上げます。

そしてただダラダラ長いだけの駄文を我慢して読んで下さった皆様方。
本当にありがとうございましたm(_ _)m

以上をもちまして「奄美遠征記」ほんとに終了、です。
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2006.09.11 | Comments(2) | Trackback(0) | 遠征記

コメント

楽しませていただきました。

お疲れ様でした。ブログにしておくにはちょっともったいない内容、ボリュームですね。
いっそ出版しては?

2006-09-16 土 22:16:04 | URL | スタジオA #87fPZhO2 [ 編集]

ありがとうございます

楽しんでいただけたようで何よりです。

>いっそ出版しては?

いいですね~。他の島も巡って一冊出しましょうか(笑)。

2006-09-17 日 20:29:06 | URL | spatica #- [ 編集]

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